マジすか学園GX☆プリズン編☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園GX☆プリズン編☆

誰かが言った。

『信じる者は救われる』と。

また、誰かが言った。

『信じる者ほど救われない』と。


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人里離れた
山奥にある
有刺鉄線の巻かれた高い塀に囲まれた施設。

ここは、地図にない場所。
表向きは
少年刑務所(プリズン)ではあるが、実は──。

人間本来の持つ能力──異能(チカラ)を、最大限に引き出すべく、
日々、能力開発という名の人体実験を繰り返す研究施設であった。毎日、独特のカリキュラムが組まれ、必要に応じて、痛みを伴う実験や薬物投与なども行われていた。異能(チカラ)無き者と見なされた場合、速やかに、排除される。
定期的に、喧嘩(バトル)訓練が行われ、負け続けた場合も、また同様であった。

素体は、主に暴行、傷害などの
罪を犯し
世間からも、また、家族からも見放された少女たち。

異能(チカラ)が無ければ、ここでは、生き抜くことは出来ない。
刑期は無期限。
少女たちは
未来を夢見て
闘い続けるほかなかった。

勝ち続ければ、自由になれるという言葉を信じて。

この日も、新たに、
高電圧のスタンガンが仕込まれた特殊警棒を腰にぶら下げた、強面の看守長に連れられ、黒髪ショートカットの少年のような少女が、入所してきた。茶系の作業着のような上下に、脱走防止用の腕輪。
長めの前髪が、鋭すぎる双眸を覆い隠す。

(『私じゃない!私は、何もしてない!』)

少女は、さほど広くもない
雑居房に通された。

「新入りだ!」

ガシャンとすぐに、扉が閉じられる。
部屋の中には、同じような服装をした四人の少女たちがいた。視線が、入り口に集中する。

その中の
お嬢様風のかわいらしい少女が、興味深げに近づいてきた。

「ねえ、名前は?」


「平手...ユリナ」


「そう、よろしくね。てちこ。わたしは、石森ニジカ。にじにじって、呼んでもいいよ」

フレンドリーなニジカに、
柄の悪そうな少女──織田ナナが、奥の方から、声をあげる。

「で、テメェは、ここ(プリズン)に来る前に、何やらかしたんだ?エンコーか?クスリか?」


「............」

「ま、まあ、いいじゃん。そういうことは、言いたくなったときに、言ってくれれば、ね」

「相変わらず、甘々だねー。ニジカは」


「わたしたちは、チームなんだから。切磋琢磨して、異能(チカラ)を伸ばしていかなきゃ、この先、勝ち残っていけないでしょ。実際、リーチかかってるわけだし...」

喧嘩(バトル)──

定期的に、行われる実験のひとつ。
チームは、基本的に五人編成で、同レベルのチーム同士の喧嘩(バトル)が組まれることになっている。1対1の対決で、どちらかが、負けを認めるか、意識を失うまで続けられる。三回連続で、負けるようなことがあれば、排除対象とされる。


「ちなみに、わたしの異能(チカラ)は、『語るなら未来を』──。そう、何を隠そう、未来が視えちゃうんだよ」

石森ニジカ。能力名『語るなら未来を』──。

「と言っても、1秒先しか視えねぇんだけどな。まったく、意味ねーし」

「うざッ!そういうオダナナの異能(チカラ)──『キミガイナイ』だって、瞬間移動とか言って、1メートルくらいしか移動出来ないくせに!普通に動いたほうが早いじゃん!」

「ちっ!これからもっと、距離伸ばしていくんだよ!うっせーな!」

「わたしだって、これから、もっと、視える時間、増やしていくんだから!」

「まあまあまあまあ。やめなよ。新入りの前で」

人懐こい顔のポニーテールの少女が、二人の間に割って入り、制止する。

「あ!この子は、今泉ユイ。ずーみんの異能(チカラ)は、『チューニング』って言って、相手の攻撃を強めたり、弱めたり出来るんだ」

「二人と同じで、まだ、そんなに、コントロール出来ないんだけどね」

ずっと
話を聞いていた
ツインテールに、小学生のような風貌の少女──原田アオイが、おずおずと口を開いた。

「それでも、三人は、まだいいよ。わたしなんて、半年も経つのに、まだ、異能(チカラ)が、発現してないんだから。このままだと、『ゼロ』の烙印を押されて...、リカみたいに...」

「だ、大丈夫だよ!アオイは。絶対に、みんな、異能(チカラ)は、持ってるはずなんだから!」

あわてて、フォローするニジカ。

「ありがとう。にじにじ。わたし、頑張る!」


「リカ...?」

平手ユリナが、その名前に反応する。

「尾関リカ...。この部屋にいたメンバーなんだけど、異能(チカラ)は、発現しないし、喧嘩(バトル)も負け続きで...、もう、見込みがないってことで、連れていかれちゃったんだ...」

「今頃、どうなってることだか...な」

おそらく、皆、わかっていることだった。異能(チカラ)無き者が、ここ(プリズン)にいる意味はない。

「それじゃ、新メンバーも入ったことだし、新しくチーム名でも考えようか。いままでのチーム名が良くなかったんだよ。きっと」

今泉ユイが、明るく、雰囲気を変えようとしたとき。

カタンと。

部屋のなかに、
真っ赤な封筒が、投げ入れられた。

新入りの平手に、織田ナナが、説明する。

「招集礼状だ。次の喧嘩(バトル)の対戦日と対戦相手のチーム名が書いてある」

ニジカが、そっと封筒を拾いあげ、中身を広げた。

「まさか、新入りのデビュー戦が、チームMARRYじゃねぇだろうな?」

織田ナナが、鼻で笑う。

いま、現在、連戦連勝、最強の名を欲しいままにしてるチームが、チームMARRYだ。

志田マナカの M。
守屋アカネの A。
渡邊 リサのR。
渡辺リカの R。
菅井 ユウカのY。

それぞれの頭文字を取って、チームMARRY。メンバー全員が、恐ろしい異能(チカラ)を有し、それを充分に使いこなしていた。

ニジカたちとは、
実力に、雲泥の差があり、まず、ぶつかるということはなかった。

しかし。

ニジカのこわばった表情を見て、ユイが、訊いた。

「まさか...?」

「その、『まさか』みたい...」

そこには、連戦連勝中の最強チーム、
“チームMARRY ”の文字があった。



所長室──

この場に似つかわしくない
妖艶ともいえる女性──所長に、看守長が、尋ねる。

「所長、本当に、よろしいのですか?あの落ちこぼれのチームポンコツ共に、チームMARRYをぶつけるなんて、危険すぎますよ...下手をすると...」

「いいのよ。この世は、弱肉強食。強い者だけが、勝ち残る。遅かれ早かれ、ね」


フッ...と、自嘲気味に、パイプの煙を吐き出しながら。


「そう...。この世界には、愛なんてないのだから...」