無口なライオンin乃木坂46☆ラストシーン☆
家を飛び出した七瀬に、怒りのおさまらない父親。
その場を切り抜けるため、佑美は、七瀬と共に、走り出した。
七瀬の手を引っ張る佑美の手は、とても、力強く、そして、あたたかかった。
子供の頃を思い出し、不意に笑みがこぼれる七瀬。懐かしさが、胸をしめつける。
遠く離れた
堤防の端まで、息も絶え絶えに走りきった二人は、そのまま、倒れ込み、顔を見合わせる。
無邪気な笑顔。
仰向けになった状態から、佑美は、上半身を両腕で支えるようにして、瞳を閉じたまま、天を仰ぐ。
「あの中だけだったね。時間が止まってたのは」
いつまでも、子供のままではいられない。まわりは、すごい勢いで、変化していく。
七瀬は、そんな寂しげな佑美に、そっと、近づく。
その光景を、二人を追いかけてきた、レイカが、見つめていた。
──『まあ、十年か、二十年経ったら、いまのこの瞬間なんて、絶対に覚えてないよね』『よっぽど、大きい出来事じゃない限り、忘れちゃうよねー』
レイカの顔を一瞥し、七瀬は、瞳を閉じたままの佑美に、口唇を重ねた。



「これで、十年後も、二十年後も─、忘れないね」
そして、七瀬は、何事もなかったかのように、立ち上がり、いつものように、
「また、二学期でね」
そう言って、その場を離れた。
自身が、
転校するとは、一言も言わずに。
残された佑美は、瞳を閉じたまま、
悔しそうに、つぶやいた。
「うそつき…」

去っていく七瀬の瞳には
涙が、溢れていた。
その場を切り抜けるため、佑美は、七瀬と共に、走り出した。
七瀬の手を引っ張る佑美の手は、とても、力強く、そして、あたたかかった。
子供の頃を思い出し、不意に笑みがこぼれる七瀬。懐かしさが、胸をしめつける。
遠く離れた
堤防の端まで、息も絶え絶えに走りきった二人は、そのまま、倒れ込み、顔を見合わせる。
無邪気な笑顔。
仰向けになった状態から、佑美は、上半身を両腕で支えるようにして、瞳を閉じたまま、天を仰ぐ。
「あの中だけだったね。時間が止まってたのは」
いつまでも、子供のままではいられない。まわりは、すごい勢いで、変化していく。
七瀬は、そんな寂しげな佑美に、そっと、近づく。
その光景を、二人を追いかけてきた、レイカが、見つめていた。
──『まあ、十年か、二十年経ったら、いまのこの瞬間なんて、絶対に覚えてないよね』『よっぽど、大きい出来事じゃない限り、忘れちゃうよねー』
レイカの顔を一瞥し、七瀬は、瞳を閉じたままの佑美に、口唇を重ねた。



「これで、十年後も、二十年後も─、忘れないね」
そして、七瀬は、何事もなかったかのように、立ち上がり、いつものように、
「また、二学期でね」
そう言って、その場を離れた。
自身が、
転校するとは、一言も言わずに。
残された佑美は、瞳を閉じたまま、
悔しそうに、つぶやいた。
「うそつき…」

去っていく七瀬の瞳には
涙が、溢れていた。