マジすか学園GX☆#1ー7☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園GX☆#1ー7☆



「お前…、いったい、何者(なにもん)なんや?」


ディーヴァの隊員のひとりが、大声で笑い出したり、妙な独り言をもらす異様な少女に、声をかける。

マジ女の生徒でもない、関西のヤンキーでもない、ましてや、ディーヴァの隊員でもない、見たこともないセーラー服を着た髪の短い少女に─。すると。


「大阪まで、来た甲斐が、ありました。まさに、『立直(リーチ)一発ツモ』って感じですね」


このタイミングで、ディーヴァ解散とは。僥倖この上ない。とでも、言わんばかりに。前田敦子やマジ女の生徒たちのちからにより、自らをディーヴァ(神)と名乗っていた組織は、消え失せた。


「話、聞いとるんか?」


「おお…、人間は、神の失敗作に過ぎないのか─。それとも、神が、人間の失敗作なのか─」


「もしかしたら、ヤバい奴やったんか…?」


「さらに、わたしの尊敬するニーチェ先輩は、こうも、仰りました。

『人生を危険にさらせ』─と」


「ホンマに、さっきから、何が、言いたいんや!」


「つまり─、ディーヴァ崩壊の後、混乱した大阪、いや、関西は、わたしが、まとめてみせるということです。この─わたし、『須藤リリカ』が」


「笑わせんなや!お前みたいな変なヤツに、そんなこと出来るわけないやろ!」


凄みをきかせるディーヴァの隊員に対して、
おっとりとした表情は、少しも、くずすことはなく、須藤リリカは、やわらかく微笑む。


「それでは、手始めに─」


深淵を覗き込むとき、深淵もまた、こちらの方に、目を向けているという。


「──まず、あなたから、潰してみましょうか?」






一方

東京では。




地下室──



「まぐれで、かわせたからといって、浮かれるなよ」


ツインテールの悪魔は、怒りを内に秘めたまま、笑う。薄く。



「ジュリナ!気をつけろ!そいつの拳は、直前で─、曲がる!」


ネズミの言うとおり、市川ミオリの悪魔のような拳は、避けたつもりでいても、必ず、顔面を捉える。それは、相手がよけたと思った瞬間、軌道を変えることの出来る、そう、まるでホーミング(自動追尾)ミサイルのように、悪魔の拳は、決して、狙いを外すことはないのだった。

それでも─。

「わかってる!」


ジュリナが、強くうなずく。

“てっぺん”になるために。

“てっぺん”を超えるために。

この少女は、いままでも、常に、大声で、叫んでいた。夢を─。
大声で、叫べば、叫び続ければ、いつか、叶う─と。

ジュリナの右拳が、市川ミオリの顔面を再び、捉える。

「こんな拳で、矢場久根が、堕とせると思うか!何が、“てっぺん”を超える、だ!矢場久根を、なめるな!」

同時に、
ミオリの拳が、ジュリナの腹部に、突き刺さっていた。前のめりに、折れ曲がるジュリナの身体。苦痛に歪む表情。全身に響き渡る黒い衝撃。悪魔の拳。
繰り返される、腹部への苦痛の嵐。

市川ミオリの拳が、いつもの、相手の顔面のみを狙う攻撃から、腹部へと、狙いを変えた。

これは、少なからず、ジュリナを脅威だと感じたからに、他ならないのだが、逆に、こうとも言える。

遊びは、終わり、なのだと。

市川ミオリの底知れない驚異が、全身をまとう瘴気にあらわれる。普通なら、気圧されてしまいそうになる圧力にも、ジュリナは、立ち向かう。恐れ知らずの強気な少女は。


「距離をとれ!ジュリナ!一旦、市川の間合いから離れるんだ!」

ネズミの声が、聞こえているのか、いないのか、ジュリナは、さらに、前へ、踏み込む。

逃げたら、負けだ。逃げたら、負ける。それに─

“てっぺん”だったら、絶対に、逃げない、と。


薄暗い地下室に、お互いの拳を叩きつける音とジュリナの荒い息づかいだけが、響く。


ダメージの蓄積された身体を支えながら、ネズミは思う。

(互角…、いや、まだ、市川のほうには、余裕があるか…、このままだと─)


市川の頭突きが、ジュリナの顔面に激しく、きまった。

しかし、踏みとどまるジュリナ。

引かない。引けない。


そのとき─

地下室の入り口に、あらわれたのは─


(くそッ!こんなときに…、最悪の展開ってやつッス…)

ネズミが、舌打ちする。

─矢場久根商業の灰色の制服に長い黒髪の少女。

この状況にそぐわない
緊張感のない声が、その入り口の少女から、とんだ。


「あー!総長、ズル~い!マジ女は、最後(あした)だって、言ってたのにぃ!それに、ジュリナは、わたしの『獲物』なんだからぁ!」

その少女の名は、
矢場久根死天王─江口アイミ。
普段は温和な彼女は、ときに、
死天王最強にして、感情を一切持たない殺戮マシーンへと変貌する。また、
凄絶な美しさを誇る絶世の美少女でもあった。
通称─Ω(オメガ)。


全員の動きが、止まる。


「邪魔を─、するなよ」

鋭い視線を向ける
市川ミオリの言葉を無視し、オメガは、瞬時に、戦闘体制へと移行する。

瞳が、表情が、動きが、感情を持たない殺戮マシーンへと、変貌していく。口調さえも、機械的なまでに、一変する。

「目標捕捉…、排除する!」


直後。

オメガは
すべるように動き出すと、一瞬で、ジュリナの眼前に迫った。