マジすか学園F☆#3ー2☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園F☆#3ー2☆

カツ…コツ…と、地下への階段を下りていく足音。
鉄製の階段、そして、コンクリートの壁に、
一定のリズムを刻み、歩を進めるフード付パーカーを纏った少女の表情は、影になって、よくわからない。唯一、視認できる小さな口元がわずかに開く。

「……すまないな、ジュリナ」


ネズミは、先程までのジュリナとの通話を思い返す。前田がいなくなり、目の前で、仲間たちが次々と傷つき倒れていき、焦るジュリナ。


『矢場久根のアジトはどこだ?市川ミオリは、どこにいる?』


「ジュリナ…、矢場久根には手を出すなと言っただろう。奴等とは表向き、休戦協定が結ばれてる。それに…」


『それに?』


「いまのお前じゃ、市川には勝てない…、いや、『マジ女』の中の誰にもな…」


『あのときは、邪魔が入っただけだ!今度こそは勝つ!』


「眩しいな…」


『えっ?』


「お前は、眩しすぎるんだよ…」

通話が途切れる。

大島優子。前田敦子。
ネズミにとっては、皆─。

輝く(ヒカル)者たち。

自分は、それに対し、ただの影でしかなかった。

(あっしには…、“ここ”がお似合いっス)

慣れた様子で、暗い
地下室へと入っていくネズミ。

ここは、矢場久根の秘密のアジトだった。

「なんだ、お前か…、何しに来やがった?」

矢場久根の生徒が、数人、たむろしている。そのうちの頭に、黄色いターバンを巻いたひとりが、ネズミに声をかけてきたのだった。

「市川は…、いないみたいっスねぇ」


「うちの総長、気安く、呼び捨てにしてんじゃねーぞ!コラ!いくら、裏で繋がってるっつっても、礼儀ってものが…」


「雑魚が!」


ネズミの拳が、ターバンの少女に、次の言葉を言わせなかった。


「てめーッ!裏の協定、破るつもりか?」


その場に、緊張が走る。矢場久根の生徒が、いまにも、襲いかかりそうになっていた。


「前田のいない『マジ女』に、“意味”なんて、ないんスよ」


「はぁ?何言ってんだ!」


容赦なく、殴りかかってくる生徒たちを、ひらりとかわし続けるネズミ。
けっして、頭脳だけではなかった。

(それに、“あいつ”が…
きっと、無茶をする…)


そのとき。


「こうなることは…わかってたよ」


地獄の底から響くような声が、入口の方から聞こえた。


「わかって…いたんだよ、ネズミ」

そこに、現れたのは、
矢場久根商業新総長、市川ミオリ。悪魔のような笑みをたたえ、


「協定を破棄するつもりか…、せっかく、お前には、マジ女の“てっぺん”の座を用意してやったというのに…、残念だ」

情報と引き換えのお膳立てだった。

「物心がついた頃っスかねぇ…」

ネズミが、話を続ける。

「国会議員を父親に持つと…、欲しいものは、何でも簡単に、手に入ったっス…、『欲しい』とひとこと言えば、どんなものでも、すべて、与えられてきた…」

視線は、市川を捉えたまま。

「小遣いだって、使い放題…、だけど…、簡単に手に入った、それらのものに…、それほど、『価値』は無かったんスよね…」


「何が言いたい?」


「そんな、あっしが、初めて、自分のちからを以て、どうしても、欲しいものが、出来たんスよ。“あいつ”と一緒に、どうしても欲しいものが」


「それは?」


「それが、マジ女の“てっぺん”だ!」

噛んでいたガムを、吐き出し、

「“てっぺん”は、与えられて、なるものじゃない…、“てっぺん”を倒し、“てっぺん”に認められてなるものだ…、だから…」


ネズミが、市川に向かって、走る。

「前田のいない『マジ女』は…、あっしが守るっス!」