マジすか学園☆特別編☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園☆特別編☆


マジすか女学園──


入学式当日。

一年A組の教室には、今年、入学したばかりの初々しい新入生たちが、多勢いた。しかし、その、ほとんどが、いわゆるヤンキーと呼ばれるような風貌である。早速、綺麗な壁や黒板に、落書きをする者や、麻雀、花札などの賭け事をする者、喧嘩自慢をする者など、様々だった。この学園では、決して、珍しいことではない。

そのなかで、
三人のヤンキーが、こんな噂話をし始めた。

「なんか、朝っぱらから、喧嘩があったらしいな」
「ここは、『マジ女』なんだから、当然だろ」
「それがよー、あの“ラッパッパ”と揉めたらしいぜ」
「ホントかよ!」
「吹奏楽部、通称─ラッパッパ、喧嘩上等の『マジ女』のなかでも、最強の武闘派集団…」
「命知らずがいるもんだなー」
「入学、即、入院か?」
「そういや、救急車来てたな…、バカだよな、ラッパッパに関わっちまうなんて…、強いものには巻かれろって言うだろ…」


そのような
話をしていると─


カツン…


コツン…


「なんの音だ…?」


教室の後ろのほうから、
この教室には、似つかわしくない、剣玉の音が聞こえてきた。
我関せず、といった調子で、机に腰を預け、黒い剣玉を見事に操るショートカットの美形の少女。

「なんだ…あいつ?」
「高校一年には見えねーな、留年(ダブり)だろ」
「だよな!間違いねー!」


ぎゃははは、と下卑た笑いが教室中に響く。

おもむろに、
ショートカットの少女が、剣玉を机の上に置き、三人に近づく。



「喧嘩…、売ってるんだよな?」


椅子に座る三人を見下ろし、
表情を変えることなく、言った。真新しい制服の背中には、すでに、髑髏と薔薇の刺繍が施されてあった。
その三人は、知らなかったが、教室内には、この少女のことを知っている者も、何人かいた。遠巻きに眺めながら、


「あいつ…、S中の篠田だよ」

「あの“SKULL&ROSEs(スカルローズ)”のか…」

「美しい薔薇には、棘がある。お手並み拝見といくか」


ギャラリーが見つめるなか、一触即発の状態は、座っている三人のヤンキーが、同時に、立ち上がったところで、破られた。


「てめぇ!うちらがどこの族(チーム)か知ってんのか?」


そう言って、胸ぐらを掴んできたヤンキーは、その顔面に、
長身から繰り出された
篠田の重い拳が、まともにきまり、その場で、あっさりと、くずれ落ちた。

「知らねーよ」

冷徹な瞳。

「ざけんじゃねーぞ!」
「ぶっとばしてやる!」

残りの二人が、同時に、殴りかかってきた。


一瞬の後。

二人のヤンキーは、滑るように、教室の机の上を吹き飛んでいった。圧倒的な力量の差だった。オーラが違う。

「これからは、陰口をたたく相手を選ぶんだな」


シーンと教室内が静まり返ったところで、
踵を返す篠田。


カツっ…


ごツっ…


「あれっ?おかしいなぁ」


「お前…、勝手に…」


篠田の眼前には、
長い髪の小柄な少女が、篠田のいた机の上にあぐらをかき、さらに、勝手に、剣玉で遊んでいた。

「よっ!剣玉って、難しいけど、おもしれーな」

初対面なのに、悪びれることもなく、
まったくといってよいほど、屈託のない笑みをみせる少女。眩しいくらいに。
『マジ女』に来る、大多数がもつような、暗い雰囲気は感じられなかった。何かが違った。

「わたしも、陰口たたくやつは、好きじゃねー」


この少女との出逢いが、篠田の運命を大きく変えることになるとは、このときは、思ってもいなかった。

そのとき─

「おい!この教室に、大島優子ってのはいるか?」


三年の生徒が数人、教室の前の扉から入ってきた。

「なんだなんだ?」

驚く新入生たち。

「吹奏楽部(ラッパッパ)だ」「そうだ…、間違いねぇ」

三年が、身に付けている音符のアクセサリー類が、学園最強の武闘派集団、吹奏楽部(ラッパッパ)であることを示していた。


「はーい。何か用ですか?センパイ」
篠田と対峙している少女が、元気よく、手をあげた。

その少女が、『大島優子』だった。


「二年坊、倒したからって、調子にのってんなよ!」
「いまから、図書室に来な!」
「絶対、逃げんじゃねぇぞ!」

それだけ言うと、吹奏楽部の三年は、凄みをきかせながら、教室をあとにした。
残された教室では、ヤンキーたちが、眉間に皺を寄せながら、囁きあっていた。終わったな、という言葉や、再起不能かもな、など─
吹奏楽部(ラッパッパ)に睨まれて、逃げることは不可能だった。


「お前、何か、やらかしたのか?」

篠田が尋ねる。

「そういえば、朝、喧嘩したやつらが、ラッパがどうとか…言ってたような…、二年のくせに、割り込んできやがったからさ」


「そうか…、お前、ラッパッパに、手を出したのか…」


少し考えてから、篠田が言う。

「だったら、気をつけろ…、いや、…と言うより、図書室へは、行かないほうが身のためだ」


「へぇ…」

「なんだ?」

優子は、微笑み、剣玉を返しながら、言った。

「お前…、優しいな」

「なっ…!」


「でもな…、この学校に入学した時点で…、もう、わたしは、『階段』のぼり始めてんだよ…」

それだけ言うと、覚悟を決めたように、
優子は、教室を出ていった。

吹奏楽部(ラッパッパ)の悪行を知らない者などいない。知っていて、あえて、少女は、闘いを挑むのだと─

しばらくして、
ふたたび、机の上に腰を預け、剣玉を始める篠田。

がツっ…


ごツっ…


「くそっ!」


剣玉を机に叩きつける
調子がくるったのか、いつものように、剣玉をうまく扱えない篠田だった。