マジすか学園F☆#1ー1☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園F☆#1ー1☆


前田は、全力で、走り続けていた。

ディーヴァ総帥のいる【エリアK】に向けて、ただ、ひたすらに。

【エリアK】は、エリアのなかでも、海に面した港湾地帯に位置していた。ほのかに、潮の香りを含んだ風が、目的地が近づいてくるのを、前田に意識させた。

途中、幾度となく、ディーヴァの隊員たちと出くわし、その都度、かろうじて、切り抜けてはきた。

しかし、確実に、前田の体力は、削ぎ落とされていった。

そんななか、嫌な感覚が、前田の全身を貫く。
何度か、感じたもの。

常に
誰かに、見られているかのような、

まるで、誰かの掌の上で、踊らされているのではないか?

そんな疑念が沸き起こってきていた。

そのとき─


「よう来たな、前田。こっから先が、“エリアK”や」

遠くには、海。周りには、倉庫やコンテナ。
目の前には、銀灰色(グレイ)の特攻服。それは、隊員ではなく、一騎当千の将軍という実力をあらわすもの。
そして、その将軍の名を、上西(じょうにし)ケイと言った。


「やっぱ、山本は、尻尾出しよったか。いつか、寝返ると思とったけどな。とっとと、切り刻んどけばよかったわ」

そう言って、銀色に輝く爪(ネイル)を、きらめかせる。
慎重に、
瞳をそらすことなく、身構える前田。

「あいつは、裏切ったんじゃない…、あいつは、何も変わっていなかった…、ずっと、“マジ”だったよ、最後まで…、お前に、あいつの苦しみは、わからねぇだろ…」


ふん、と、鼻先で、笑う上西。

「何が、“マジ”や…、仲間のために、自分を犠牲にして、敵のチームに入る?その結果が、かつての仲間と殴り合いやと?笑えるなぁ。まるで、道化師(ピエロ)や…
総帥は、最初から、なんでも、お見通し…、所詮、山本も、前田…お前も、総帥にとっては、ただのゲームの駒にすぎんのや」


上西の目が、光る。

「うちは、キノハルや城エリコとは違(ちゃ)うで…、そろそろ、戯れ事(ゲーム)は、終(しま)いにしようか!」

いきなり、
上西の“鉄の爪”が、前田を襲う。
鋼鉄製の爪(ネイル)が、前田の頬を引き裂いた。

その直後─

鮮血が、飛び散るのも構わず、前田は、左の拳で上西の顎を打ち抜く。よろめく上西に向け、前田が、叫び放った。


「“マジ”に生きてるやつを、馬鹿にすんじゃねぇ!」






東京──


パープルの眼鏡をかけた女警部補と、その相棒の若い刑事は、昨夜、正体不明の包帯少女に襲われたガンギレ高校の生徒たちが運びこまれた病院に来ていた。ようやく、全員、意識もはっきりとし、医師から面会許可もおりたという情報が、所轄の警察署から入ったからだ。


「主任、ほんとに、昨日の事件と、一連のDの字連続暴行事件て、繋がってるんですかね?こう言ってはなんですが、昨日のガンギレ高校の生徒の事件は、被害者が五人、対して、Dの字のほうは、マジすか女学園の生徒、アンダーガールズのメンバー、被害者すべて合わせると、八十三人…、これ以上、こっちの小さな事件に関わってても…」

主任と呼ばれた女警部補は、立ち止まり、振り返る。
そして、睨みつけ、大声で、

「事件にはな…、小さいも大きいも、ちょうどいいもねーんだよ!よく覚えとけ!」

と、怒鳴りつけられ、シュンとするキャリアのエリート刑事。

「は…、はい…、すみません…」


「きっと、何か──」


その時。

少し離れた
病室内から、声が聞こえてきた。

「間違いねーよ!ちゃんと、見たんだって!」

被害にあったガンギレ高校の生徒のひとりが二人の刑事に聴取をうけていた。必死に昨夜の状況を説明している。

「幽霊だよ…、絶対…、おれたち、恨まれて当然だけどさ、あの事件で、“別荘”入れられて、出てきた途端これだ…、全員、一生、罪を償っていくって決めたのに…、いきなり、襲われて、“死んでも死にきれないって”さ…、顔に、包帯がぐるぐる巻きで…、ギラギラした目だけ、出してて…」


「それじゃ、まったく、誰だか、わからんじゃろうが…、声だって、はっきりせんじゃろ」


所轄の老刑事が、頭をかきつつ、同僚を振り返る。同じように、その年配の刑事も、病床の少女に、諭すように言う。


「勘違いじゃないのか?暗かったし、雰囲気と背格好でそう思っただけなんじゃ…」


「いや、その幽霊…、最後に、自分で顔の包帯はずしたんだよ…」


「幽霊が…?まさか…」


「何度も言ってんだろ!見間違えるはずがねーって、あれは、間違いなく…、


“高橋みなみ”だったよ」