マジすか学園3☆#12ー10.5☆
前田は走っていた。
とどまることなく。まっすぐに。戦場(エリ ア)を駆ける。途中、ディーヴァの隊員 たちが行くてを阻むべく、幾度となく、立ちふ さがった。それでも、風は、とどまることな く、吹き続けていた。
手に、白い紙切れを握り締めて—。
(サヤ…、お前の“想 い”…、絶対、無駄にはしない)
山本サヤカが意識を失う前に、前田に手渡した もの。それは、山本サヤカが前田に託した『未 来』だった。
その紙には、“エリアK”という文字だけが書か れていた。おそらく、ディーヴァ総帥がい る【エリア】であろう。自分が負けたときのこと を考え、準備しておいたのだ。 意識不明のサヤカをアヤメに任せ、前田は単 身、敵の本拠地へとひた走る。 風が通りすぎたあとには、立っている者はおらず、うめき声だけが残っていた。
【エリアF】の教会の中庭では、アヤメがやき もきしながら、救急車の到着を待っていた。
「たしかに、こんな敵地のど真ん中に置いてお くわけにもいかないんだけどニャ…、ったく、あのバカウ サギ、また、ひとりで、突っ走りやがって…、わたしは、まだまだ闘(や)れるってのに…、ん?」
アヤメが、その存在に気づいたとき、“それ”は、目の前まで迫っていた。
「あんたたち、一体…?」
【エリアK】
「もうそろそろ、『開かずの扉』開けよ、思ててんけどな…、“ヤツ”を【エリア】に投入しよと思た矢先、なんや知らんけど、あの部屋に、アホが一匹入りこんだみたいや…」
「あんな危ない“もん”使うつもりやったんか?あいつは、敵も味方も、視界に入っただけで容赦なく叩きつぶすやつや…、なんも考えんとな…、ただの獣やで…、あんなやつは、ずっとあの部屋で、うちら(ディーヴァ)に反逆するもん処刑しとればええんや。
それより、うちの出番いつやねん!なんで、うちを最初から出さんのや?将軍が、どんどん、やられていっとるのに…」
「落ち着けや…、ゲームに、スリルはつきもんやろ。それに、はじめから、ボス級(クラス)の敵が出ていってもうたら、話は進まんし、やる気なくしてまうわ…、弐将(お前)は、ほんまに、いつも攻める気満々やな…
まぁ、ぼちぼちや…、RPG(ゲーム)っちゅうのは、そういうもんや」
「よう、わからんけど、総帥(お前)が決めたことなら、間違いないんやろな。いままでも、全部、お前の言うた通りやった。お前はいつでもどこでも、『無敵』やからな。
それでもやな、大阪を制覇し、西日本を抑え、いよいよ東京っちゅうとこで、こんな遊び(ゲーム)なんかやっとる場合か?」
「全て、予定通りや。マジ女の連中が、来て、少し予定は繰り上がったけどな…、なんも心配いらん…
前田には、いままで味わったことのない絶望と苦痛を与えてやる…、仲間と殴り会うなんて、まだ、序の口や。
まるで、ゲームのクリア目前のとこで、コンティニューしとったデータが全部消えてしもたような…、いや、それ以上の虚しさと地獄を、な…」
(誰も…、うちの気持ちなんか、わからんのや…)
「…ほんなら、ちょっと、“外”の風にでも当たってくるわ」
「……、そういうことにしとこか。で、誰を狙うつもりなんや?」
「かなわんな…、もちろん、うちの敵(ターゲット)は、一番強い“やつ”や」
「さすが…、神殺し(エースキラー)やな…」
とどまることなく。まっすぐに。戦場(エリ ア)を駆ける。途中、ディーヴァの隊員 たちが行くてを阻むべく、幾度となく、立ちふ さがった。それでも、風は、とどまることな く、吹き続けていた。
手に、白い紙切れを握り締めて—。
(サヤ…、お前の“想 い”…、絶対、無駄にはしない)
山本サヤカが意識を失う前に、前田に手渡した もの。それは、山本サヤカが前田に託した『未 来』だった。
その紙には、“エリアK”という文字だけが書か れていた。おそらく、ディーヴァ総帥がい る【エリア】であろう。自分が負けたときのこと を考え、準備しておいたのだ。 意識不明のサヤカをアヤメに任せ、前田は単 身、敵の本拠地へとひた走る。 風が通りすぎたあとには、立っている者はおらず、うめき声だけが残っていた。
【エリアF】の教会の中庭では、アヤメがやき もきしながら、救急車の到着を待っていた。
「たしかに、こんな敵地のど真ん中に置いてお くわけにもいかないんだけどニャ…、ったく、あのバカウ サギ、また、ひとりで、突っ走りやがって…、わたしは、まだまだ闘(や)れるってのに…、ん?」
アヤメが、その存在に気づいたとき、“それ”は、目の前まで迫っていた。
「あんたたち、一体…?」
【エリアK】
「もうそろそろ、『開かずの扉』開けよ、思ててんけどな…、“ヤツ”を【エリア】に投入しよと思た矢先、なんや知らんけど、あの部屋に、アホが一匹入りこんだみたいや…」
「あんな危ない“もん”使うつもりやったんか?あいつは、敵も味方も、視界に入っただけで容赦なく叩きつぶすやつや…、なんも考えんとな…、ただの獣やで…、あんなやつは、ずっとあの部屋で、うちら(ディーヴァ)に反逆するもん処刑しとればええんや。
それより、うちの出番いつやねん!なんで、うちを最初から出さんのや?将軍が、どんどん、やられていっとるのに…」
「落ち着けや…、ゲームに、スリルはつきもんやろ。それに、はじめから、ボス級(クラス)の敵が出ていってもうたら、話は進まんし、やる気なくしてまうわ…、弐将(お前)は、ほんまに、いつも攻める気満々やな…
まぁ、ぼちぼちや…、RPG(ゲーム)っちゅうのは、そういうもんや」
「よう、わからんけど、総帥(お前)が決めたことなら、間違いないんやろな。いままでも、全部、お前の言うた通りやった。お前はいつでもどこでも、『無敵』やからな。
それでもやな、大阪を制覇し、西日本を抑え、いよいよ東京っちゅうとこで、こんな遊び(ゲーム)なんかやっとる場合か?」
「全て、予定通りや。マジ女の連中が、来て、少し予定は繰り上がったけどな…、なんも心配いらん…
前田には、いままで味わったことのない絶望と苦痛を与えてやる…、仲間と殴り会うなんて、まだ、序の口や。
まるで、ゲームのクリア目前のとこで、コンティニューしとったデータが全部消えてしもたような…、いや、それ以上の虚しさと地獄を、な…」
(誰も…、うちの気持ちなんか、わからんのや…)
「…ほんなら、ちょっと、“外”の風にでも当たってくるわ」
「……、そういうことにしとこか。で、誰を狙うつもりなんや?」
「かなわんな…、もちろん、うちの敵(ターゲット)は、一番強い“やつ”や」
「さすが…、神殺し(エースキラー)やな…」