マジすか学園3☆#10ー10☆
【エリアF】内にある教会ー
いまは閉鎖され、祈りを捧げる者もいない聖母の像が、変わることなく優しく微笑みかける礼拝堂の片隅に、完璧な治療を施された前田がぐっすりと眠っていた。
その傍らに、ちょこんと座っているアヤメ。
睡眠薬入りの水を飲ませ、この場所に運び込み、治療を施した張本人である。前田の意思に反し、強引にではあるが。
アヤメいわく、
教会は、体力回復のお決まりの場所(スポット)らしい。
戦場での教訓、その2、休めるときに、休んでおく。それを実践していた。
ずっと、真剣みを帯びた表情を前田に向けている。普段、猫をかぶっているのか、それとも、なりきっているだけなのか。
自称、幸せを呼ぶ招き猫。
「前田、ゴメンね…、睡眠薬なんか飲ませて…、でも、こうでもしないと、止まらない…、きっと…、どこまでも、突き進んじゃうと思うんだ…、命が燃え尽きるまで…、
まるで、ジャンヌダルクみたいに…」
神の啓示を受けた聖女…解放者…
「わたしがいる限り、火刑(火炙り)になんてさせない…、一緒にいた時間は短いけど、会話して、闘う様を見てよくわかったよ。お前には、命を投げ出してもいい、そういう風に思わせる『何か』があるって…」
よく見ると、アヤメの身体にも、多くの傷が見うけられた。この場所まで、充分休息をとれる場所まで、前田を守りながらディーヴァと闘ってきた証だった。
中央にある聖母の像に視線を移すアヤメ。
(教会なんだから、死んだ人間も…生き返らせることが出来ればいいのに…)
笑おうとしたかったようだが、上手く笑えなかった。
現実はRPG(ゲーム)とは違う。復活の呪文など──ないのだ。
直後、
扉の外側にただならぬ気配を感じる。
(三十人くらいか…、予想より早いな)
立ち上がる。
コンビニでも行くようにー。
「前田、ちょっと行ってくるよ」
宗教画が描かれた高い天井を、見上げる。ステンドグラスの窓から、太陽の光がやわらかく射し込んでいた。
(もうすぐ、“真実”が明らかになるよ…、それまで、わたしたちを見守っていてくれる…?)
アヤメは、口の中で、かつて、勝利の女神と呼ばれた少女の名をぽつりとつぶやいた。
(…みなみ)
と。
#10 『VAMOS!! 西へ』 終
いまは閉鎖され、祈りを捧げる者もいない聖母の像が、変わることなく優しく微笑みかける礼拝堂の片隅に、完璧な治療を施された前田がぐっすりと眠っていた。
その傍らに、ちょこんと座っているアヤメ。
睡眠薬入りの水を飲ませ、この場所に運び込み、治療を施した張本人である。前田の意思に反し、強引にではあるが。
アヤメいわく、
教会は、体力回復のお決まりの場所(スポット)らしい。
戦場での教訓、その2、休めるときに、休んでおく。それを実践していた。
ずっと、真剣みを帯びた表情を前田に向けている。普段、猫をかぶっているのか、それとも、なりきっているだけなのか。
自称、幸せを呼ぶ招き猫。
「前田、ゴメンね…、睡眠薬なんか飲ませて…、でも、こうでもしないと、止まらない…、きっと…、どこまでも、突き進んじゃうと思うんだ…、命が燃え尽きるまで…、
まるで、ジャンヌダルクみたいに…」
神の啓示を受けた聖女…解放者…
「わたしがいる限り、火刑(火炙り)になんてさせない…、一緒にいた時間は短いけど、会話して、闘う様を見てよくわかったよ。お前には、命を投げ出してもいい、そういう風に思わせる『何か』があるって…」
よく見ると、アヤメの身体にも、多くの傷が見うけられた。この場所まで、充分休息をとれる場所まで、前田を守りながらディーヴァと闘ってきた証だった。
中央にある聖母の像に視線を移すアヤメ。
(教会なんだから、死んだ人間も…生き返らせることが出来ればいいのに…)
笑おうとしたかったようだが、上手く笑えなかった。
現実はRPG(ゲーム)とは違う。復活の呪文など──ないのだ。
直後、
扉の外側にただならぬ気配を感じる。
(三十人くらいか…、予想より早いな)
立ち上がる。
コンビニでも行くようにー。
「前田、ちょっと行ってくるよ」
宗教画が描かれた高い天井を、見上げる。ステンドグラスの窓から、太陽の光がやわらかく射し込んでいた。
(もうすぐ、“真実”が明らかになるよ…、それまで、わたしたちを見守っていてくれる…?)
アヤメは、口の中で、かつて、勝利の女神と呼ばれた少女の名をぽつりとつぶやいた。
(…みなみ)
と。
#10 『VAMOS!! 西へ』 終