マジすか学園3☆#9ー3☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園3☆#9ー3☆

路地裏にある寂れたゲームセンターに入っていく、ランドセルの女の子。

そこは、ディーヴァの隊員が大勢、我が物顔で占拠している吹き溜まり。彼女らの憩いの場となっていた。

「ケイラさん!?」

いくつも年上に見える少女が、ランドセルの女の子をそう呼び、立ち上がった。ほかのメンバーも一斉に立ち上がる。


「おい…、鼠が…、いや、猫が二匹紛れこんどったで…、ただの猫やないけどな」


「えっ!?まさか、前田が…」「噂は本当やったんか…」

顔を見合わす隊員たち。
前田が、ひとりで大阪に乗り込んできたという噂はすでに広まっていたが、誰も頭から信じてはいなかった。


「そういうことや…、お前ら、うちの手をわずらわせるつもりか?」

ケイラは、隊員のひとりの頭をつかみ、筐体の画面に叩きつけた。
隊員の頭が、ずり落ち、ひび割れ血に染まった画面には、GAME OVERの文字が浮かんでいた。


「とっとと、前田をぶっ潰してこい!ほかの隊に遅れをとんなや!」


あわてて、凶器を携え、飛び出していく隊員たち。
それを見送るディーヴァ十二将のひとりー死将、與儀ケイラ。


「“絶望のくに”へようこそ…前田」







ディーヴァの“エリア”から離れた
ファーストフード店の窓際に面したテーブル席に、前田とネコのような少女は向かい合わせに座っていた。

窓の外では
桜の季節も、もう、終わりかと言わんばかりに、花びらが次から次と、ひらひら舞い落ちていた。


「ん?顔に“はてなマーク”がいっぱいついてるよ」


前田の硬く怪訝そうな顔を見て、ネコのような少女は続ける。

「わかるよ。その気持ち…、不思議だよね。なんで、関東ではマックって言うのに、関西ではマクドって言うんだろうって…」


「そうじゃなくて…」


「オーマイガー!そっか、じゃあ、どうして関西では、ごはんとお好み焼きを一緒に食べるんだろうとか?」


ネコのような少女の屈託の無さに、ペースを乱される前田。

一転
少女は、急に、真顔になり、真面目に話し出す。

「まともに正面から行っても、ディーヴァの総帥には会えないよ。きっと、総帥に辿り着く前に、十回は殺されちゃうね。あの“エリア”に入るってことは、そういうことなんだよ。病院送りにされ、ヤンキーから足を洗うか、大阪からいなくなるか…、生きているのか死んでるのかすらわからなくなる…、だから、別名“ヤンキーの墓場”とも言われてる」


「あなた…、いったい…」

誰?


「わたしの名前は、肥川アヤメ、あやにゃんって呼んでニャ」


白の制服を着た、可愛らしく清楚な少女は、またも、招き猫のように、丸めた拳をクイクイと上下させた。猫の目のように態度をくるくる変化させる。つかみどころがない。

ディーヴァのことをよく知っている口ぶりで
ただ単にディーヴァの“エリア”に迷い込んだのではなさそうだった。


「ディーヴァのこと、よく知ってるの?」


「あなたよりは、ね。マジ女の“てっぺん”前田敦子…」

「わたしのことも…?」

「有名人だからね…、それよりも…、ディーヴァにはもう関わらないほうがいいと思うけど…、奴らはサイテーサイアクゴクアクヒドウの代名詞…、奴らにとって、“いのち”なんて…、ほら、あの風に舞う桜の花びらくらいの軽さなんだよ」


窓の外の景色を、指でさすアヤメ。

紙吹雪のように舞う桜。

それを見て
前田は、卒業式の後の“あのひと”の言葉を思い出す。


「桜の花びらたち…、その、一枚一枚には、そこに咲いた“いのち”の意味がある…無駄な花びらは無い…か」


「ん?」


「花びらは、決して軽くなんかない…、そこには、花びら一枚一枚の“想い”があるってこと」

それは、とても、“重い”ものー


「その大切な“いのち”を…、あっさり捨てるつもりなんだね」


「そうじゃない…」


「じゃあ、何でディーヴァと闘おうとするの?ひとりで行っても、殺されるだけだよ」


「たぶん…」


窓外に目をやる前田。

桜が散る。

その花びらが、風に舞い、地面とは逆に、空に向かって昇っていく。


「たぶん…、“バカ”だからじゃないかな…」


前田は、さびしそうに笑った。