マジすか学園3☆#8ー10☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

マジすか学園3☆#8ー10☆

アカリは攻勢に転じていた。

対して、受けにまわるミオリ。

「“型”が変わったな…」

あきらかに、闘い方の変わったアカリ。身のこなし、攻め方、闘気までもが別人のように変化していた。
アカリにとっては、どこか、前田と一緒に闘っているのにも似た気分だった。



数回、打ち合うと、防戦一方だったミオリの動きも、変化し始めた。


闘う相手のレベルにアジャストするかの如く。
再び、アカリの攻撃が当たらなくなり、ミオリの攻撃が当たり始める。

実力が違いすぎる。全く計り知れない。


(こいつ…、底なしか…)

闇を覗き込んでしまった恐怖を覚えるアカリ。

深い闇の底までは見えない。

アカリの足が止まる。悪魔に魅入られたかのようにー。
首が千切れ飛ばんばかりに、右へ、左へ、顔面だけを悪魔の拳によって打ちつけられる。
一発一発が、根こそぎ、意識を刈られるほど強烈な拳。
それでも、なんとか、意識を保とうとするアカリ。


「もういいよ!アカリ!死んじゃうよ!」

カナが、二人の間に飛び込むように、割って入った。

悪魔の拳が、カナを襲った。流れ弾に当たる。

「カナ!」

「大丈夫…、これくらい…、痛くないよ」

カナが、無理に笑う。

アカリは、それによって、少し、距離をとることが出来た。

(カナ…、ありがとう…、最後に、わたしにちからを貸して…、一撃だけでも…)

アカリが瞳を閉じ、祈る。

閉じた瞳を見開き、ミオリを射抜くように、見る。

そして、狙いを絞り、消えた。

アカリは
いままでで、一番の迅さ、
渾身のスピードで、ミオリの右下の死角に潜り込み、全身のバネを左拳に乗せ、思い切り突き上げた。

前田の得意技。

直後
にぶい衝撃音と、拳の砕ける音が、同時に辺りに響き渡った。続いてー

「ぐあああっ!」

アカリの苦しげな叫び。
砕けた左拳を右手でおさえ、呻く。


“龍神”を額で受け止めたミオリ。涼しい顔でー。

「アカリ!」


苦しむアカリに、無情にも、悪魔の拳が打ち下ろされた。目の前が一瞬で、真っ暗になる。

ゆっくりと、崩れゆくアカリ。
ミオリの身体をすべるようにー。

「カナ…、ごめん…」

(先に…、逝くよ…、でも…)

絶望の中に光をー。

(…こいつも、道連れだ!)

至近距離、いや、ゼロの距離からの、発勁。

崩れ落ちる寸前、右の掌から、全身の“気”を放出する業を放つ。気功。
アンダーガールズの木本カノンの得意技。カノン砲。

しかし、それすらも見切られ、
衝撃波は、ミオリの脇腹をすり抜け、背中へと、むなしく消えた。

不発。

その瞬間、ふいに、ミオリを襲う拳。

アカリの砕けた左拳が、ミオリの顔面に見事に決まっていた。完璧な伏線だった。


全身全霊をかけたアカリは、薄く微笑んで、地面に沈んだ。


それを、ただ、見下ろすミオリ。ダメージはなかった。悪魔を倒すちからは、もう、アカリには残ってはいなかった。


「勝ったような顔をしているな…」

清々しい表情のアカリを見て、ミオリがつぶやく。
そうだよ。と、カナが泣きながら言う。

「アカリは勝ったんだよ…、昔の自分に…、だって…、だって、アカリは…、最後の最後まで、あきらめなかったんだから!」


「くだらない…」



数分後ー


変わり果て
血まみれで倒れ臥す二人の少女の傍には、黄色いレモンがひとつだけ、転がっていた。







#8 『“未来へ”風は吹いている』 終