マジすか学園3☆#8ー9☆
ラッパッパ部室ー
「おい、お前ら!こんなとこでホルモン食ってる場合じゃねーぞ!」
学ランが慌ただしく、ホルモン中の部室に足を踏み込んできた。
「いや、おれたちからホルモン取ったら、何も残らねーし」
ヲタが、どうしたんだ?という感じで、きり返した。
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねー!敦子が…、敦子が、校長に“退学届”を出したらしい」
「は?なんだよ…今日は四月一日だっけか?」
「ドッキリのつもりか?つまんねーんだけど…」
ウナギもアキチャも、まともに受け取ろうとしない。
「ドッキリでも、エイプリルフールでもねー!
マジだ…」
「どういうことだ?」
バンジーが話を進めようと、促す。
ホルモン中の輪に加わり
説明を始める学ラン。
校長室での校長とクウキとの話をたまたま聞いていた生徒がいて、前田が今朝早く、退学届を出したらしいというだった。校長に詳しい話を聞こうとしたが、何も答えてはくれなかった。
「そういうことか…、これは“何か”ありそうだな…、ラッパッパを受け継いだばかりだってのに…、前田がそんなに無責任だとは思えない」
バンジーがきっぱりと言い切る。信頼関係は厚い。皆もうなずく。
「敦子ほど、この学校、好きなやつもいないだろ」
「だよな…、考えられるケースは…ひとつだ。
どうしようもない事情があって、学校やおれたちに迷惑をかけたくない…と」
「それだな…それしか考えられねぇ…どうしようもない事情が何かまではわからねーけど…、あいつ…、また無茶するつもりじゃないだろうな!?」
アキチャの推測にウナギも同意をしめしつつ、不安が沸き起こる。
「事情なんか、どうだっていい!おれはいまから敦子を捜しに行くぜ!このままじゃ、納得いかねー!」
学ランが立ち上がる。
「みんなに声かけて、手分けして捜そうぜ!この街、いや、東京中、しらみつぶしにだ!」
バンジーも続いて立ち上がる。
「わたしも行く!」
黙って聞いていたムクチが、最後に口を開いた。
都立K第二高校の通学路ー
長い上り坂を
紺色のスカートに白シャツの高校生二人が歩いていた。
それを、坂の下から見つめる灰色の制服の少女。
「目標捕捉…、排除する!」
少女はー
その美しい少女は、人間の熱が感じられない機械仕掛けの人形の如き声を発し、
地面を滑るように、K第二高生の古川アイリと向田マナツの二人の背後に迫った。
「あぶねー!」
アイリが、マナツを突き飛ばす。
究極ともいえる美少女ー
矢場久根死天王、オメガは、アイリとマナツの間を通り過ぎ、正面にまわった。消していた気を開放する。
「すごい殺気…、矢場久根ですか…、やるしかなさそうですね」
「ククク…、退屈しねーな、朝っぱらから」
構えをとる二人。
マナツもアイリも、突発的な事態に対し、順応性は高かった。
矢場久根が因縁をつけてくる理由は、マジ女絡みとしか思えない。
「楽しみは、最後にとっておく…、まず手始めに…お前たちを…、滅ぼす…」
オメガの
無機質な宣戦布告は二度目の春の嵐の到来を予感させた。
私立S高校付近ー
野次馬を避け、人目のつかないところに移動した三人。
喧嘩はすでに、始まっていた。
かつて
アンダーガールズにおいて、動きの速さでは、一、二を争っていた須田アカリが、市川ミオリによって確実に動きを見切られ、捉えられる。
「ただ迅いだけか…つまらん」
侮蔑をこめたミオリの呟き。
「くっ!当たらない」
懸命に拳を振るうアカリ。
「いくら、動きが迅くとも、近づかなくては攻撃できない。そして、そのときのお前の闘気に満ち満ちた全身は、見切ってくれと言わんばかりだ」
逆に、ミオリの慈悲の欠片もない拳が、アカリを襲う。かわせない。的確に顔面にきまる。何発も、何発も。ミオリの拳は顔面しか襲わない、にもかかわらず。
アカリは必死の思いで、悪魔の拳をかいくぐり、
ミオリの背後を取った。
右の拳を思い切り振り抜く。
ミオリは、瞬時に身体を沈め、かわし、振り向きざまに、アカリの顎に右アッパーを打ち上げた。
傷だらけの顔が跳ね上がる。
口から吐きでた血が放物線を描き、後ろに吹き飛び、倒れこむアカリ。
「アカリ!」
カナが駆け寄る。
「…、だ…大丈夫だよ…、カナカナ…、下がってて…」
これくらいでは沈まない。憧れの少女に教わった“マジ”を体現するアカリ。ふらつく頭をささえ、立ち上がる。
「わたしは、前田に教わったんだ…、あきらめない心…、未来(あす)を信じ抜く…、勇気を…、“マジ”を…」
その言葉に
苦笑するミオリ。
「“マジ”…だと?
くだらないな…、ありもしない幻想を抱いて…、眠れ…」
黒々とした瘴気が、ミオリの拳、さらには、全身から立ち上ぼる。
「ちっ!」
重圧に押し潰されそうになるアカリ。
ゆっくりと近づくミオリ。とどめをさすためにー。
アカリは、構えを変えた。左半身を後ろに引き、左拳を強く握る。
「ん?雰囲気が変わったか…」
ミオリは、不用意に近づくのをやめた。
アカリの特殊能力が発動する。一度、闘った相手になりきる能力。
憧れの少女になりきり、
そして、叫ぶ。
「『世の中…、マジしかねーんだよ!』」
「おい、お前ら!こんなとこでホルモン食ってる場合じゃねーぞ!」
学ランが慌ただしく、ホルモン中の部室に足を踏み込んできた。
「いや、おれたちからホルモン取ったら、何も残らねーし」
ヲタが、どうしたんだ?という感じで、きり返した。
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねー!敦子が…、敦子が、校長に“退学届”を出したらしい」
「は?なんだよ…今日は四月一日だっけか?」
「ドッキリのつもりか?つまんねーんだけど…」
ウナギもアキチャも、まともに受け取ろうとしない。
「ドッキリでも、エイプリルフールでもねー!
マジだ…」
「どういうことだ?」
バンジーが話を進めようと、促す。
ホルモン中の輪に加わり
説明を始める学ラン。
校長室での校長とクウキとの話をたまたま聞いていた生徒がいて、前田が今朝早く、退学届を出したらしいというだった。校長に詳しい話を聞こうとしたが、何も答えてはくれなかった。
「そういうことか…、これは“何か”ありそうだな…、ラッパッパを受け継いだばかりだってのに…、前田がそんなに無責任だとは思えない」
バンジーがきっぱりと言い切る。信頼関係は厚い。皆もうなずく。
「敦子ほど、この学校、好きなやつもいないだろ」
「だよな…、考えられるケースは…ひとつだ。
どうしようもない事情があって、学校やおれたちに迷惑をかけたくない…と」
「それだな…それしか考えられねぇ…どうしようもない事情が何かまではわからねーけど…、あいつ…、また無茶するつもりじゃないだろうな!?」
アキチャの推測にウナギも同意をしめしつつ、不安が沸き起こる。
「事情なんか、どうだっていい!おれはいまから敦子を捜しに行くぜ!このままじゃ、納得いかねー!」
学ランが立ち上がる。
「みんなに声かけて、手分けして捜そうぜ!この街、いや、東京中、しらみつぶしにだ!」
バンジーも続いて立ち上がる。
「わたしも行く!」
黙って聞いていたムクチが、最後に口を開いた。
都立K第二高校の通学路ー
長い上り坂を
紺色のスカートに白シャツの高校生二人が歩いていた。
それを、坂の下から見つめる灰色の制服の少女。
「目標捕捉…、排除する!」
少女はー
その美しい少女は、人間の熱が感じられない機械仕掛けの人形の如き声を発し、
地面を滑るように、K第二高生の古川アイリと向田マナツの二人の背後に迫った。
「あぶねー!」
アイリが、マナツを突き飛ばす。
究極ともいえる美少女ー
矢場久根死天王、オメガは、アイリとマナツの間を通り過ぎ、正面にまわった。消していた気を開放する。
「すごい殺気…、矢場久根ですか…、やるしかなさそうですね」
「ククク…、退屈しねーな、朝っぱらから」
構えをとる二人。
マナツもアイリも、突発的な事態に対し、順応性は高かった。
矢場久根が因縁をつけてくる理由は、マジ女絡みとしか思えない。
「楽しみは、最後にとっておく…、まず手始めに…お前たちを…、滅ぼす…」
オメガの
無機質な宣戦布告は二度目の春の嵐の到来を予感させた。
私立S高校付近ー
野次馬を避け、人目のつかないところに移動した三人。
喧嘩はすでに、始まっていた。
かつて
アンダーガールズにおいて、動きの速さでは、一、二を争っていた須田アカリが、市川ミオリによって確実に動きを見切られ、捉えられる。
「ただ迅いだけか…つまらん」
侮蔑をこめたミオリの呟き。
「くっ!当たらない」
懸命に拳を振るうアカリ。
「いくら、動きが迅くとも、近づかなくては攻撃できない。そして、そのときのお前の闘気に満ち満ちた全身は、見切ってくれと言わんばかりだ」
逆に、ミオリの慈悲の欠片もない拳が、アカリを襲う。かわせない。的確に顔面にきまる。何発も、何発も。ミオリの拳は顔面しか襲わない、にもかかわらず。
アカリは必死の思いで、悪魔の拳をかいくぐり、
ミオリの背後を取った。
右の拳を思い切り振り抜く。
ミオリは、瞬時に身体を沈め、かわし、振り向きざまに、アカリの顎に右アッパーを打ち上げた。
傷だらけの顔が跳ね上がる。
口から吐きでた血が放物線を描き、後ろに吹き飛び、倒れこむアカリ。
「アカリ!」
カナが駆け寄る。
「…、だ…大丈夫だよ…、カナカナ…、下がってて…」
これくらいでは沈まない。憧れの少女に教わった“マジ”を体現するアカリ。ふらつく頭をささえ、立ち上がる。
「わたしは、前田に教わったんだ…、あきらめない心…、未来(あす)を信じ抜く…、勇気を…、“マジ”を…」
その言葉に
苦笑するミオリ。
「“マジ”…だと?
くだらないな…、ありもしない幻想を抱いて…、眠れ…」
黒々とした瘴気が、ミオリの拳、さらには、全身から立ち上ぼる。
「ちっ!」
重圧に押し潰されそうになるアカリ。
ゆっくりと近づくミオリ。とどめをさすためにー。
アカリは、構えを変えた。左半身を後ろに引き、左拳を強く握る。
「ん?雰囲気が変わったか…」
ミオリは、不用意に近づくのをやめた。
アカリの特殊能力が発動する。一度、闘った相手になりきる能力。
憧れの少女になりきり、
そして、叫ぶ。
「『世の中…、マジしかねーんだよ!』」