マジすか学園3☆#8ー6☆
「おい!いまの話、詳しく聞かせてくれ!」
スーツの胸元から警察手帳を取り出し、捜査員に突きつけるようにつめよる女刑事。
「け、警部補?」
肩書きに
仰天する所轄の捜査員。
「いいから、被害者の証言を聞かせてくれ!」
「は、はい!被害者の少女たちのなかで、ひとりだけ意識を取り戻した者がいまして…何か取り乱した感じだったようですが…」
「それで!?加害者は顔見知りだったのか?」
「いえ、顔には包帯が巻かれており、はっきりとはわからなかったらしいのですが、加害者のほうが名乗ったそうです。“高橋みなみ”と…」
「そんなはずはない!そんなはずはないんだ!彼女は死んだはず…」
「えっ!」
不思議そうな捜査員をよそに、考えこむ女刑事。
「誰かがなりすましてるのか…?同姓同名…?それとも、本当は、生きて…」
「主任、調べてみましょう。あの事件と何か関係があるのかも」
隣で聞いていた部下が促す。
「あぁ、そうだな。死んだ人間には、逮捕状はおりないからな。早く車をまわせ!」
「はい!」
と、元気よく返事をし、部下の刑事は、車のもとへ走り出した。
「季節外れの怪談話か…、忙しくなりそうだ」
小野エレナの自宅ー
リビングでテレビを見ながら、宿題をしているエレナ。ほとんど、宿題は進んでいなかった。
玄関のドアの開く音がした。誰かが帰ってきたようだ。
お笑い番組に夢中で、エレナは気がつかない。
廊下を進む足音が
リビングに近づく。
リビングの扉を開け
エレナに声をかける少女。
「ただいま、エレナ」
振り返り、エレナが笑顔で応える。
「あっ、おかえり!お姉ちゃん!」
広尾ー
超高級マンションの一室に、部屋主のアンダーガールズ総統ー太田リオナと秦サワコがいた。
リオナは、先程、かかってきた電話を終えると、サワコの前のソファに腰を落とす。
「まるで、“シュレディンガーの猫”だな…」
ぽつりとつぶやくリオナ。その真意は読み取れない。
「物理学者シュレディンガーの思考実験のことですね…、箱の中の猫は生きているか死んでいるか、という…」
箱の中の猫が、生きている場合と死んでいる場合が重なり合った状態ー
同時に、生きている猫と死んでいる猫が存在する状態が生まれる。
「生と死が同時に存在する世界…、そんな事象(もの)は、ありえない…生きている確率が50パーセント、死んでいる確率も50パーセントなんてな…
だが、100パーセント、中の猫の状態を知る方法がある」
「それは、その箱を開けてみればいい、ということですか?」
リオナの表情に、特別な感慨はみられなかった。ため息をつきながら、言う。
「サワコ、お前は強い…、“最強”といってもいいだろう…」
「恐れ入ります」
「ただ…、潔癖すぎる…、高潔と呼べるかも知れない…、それが、お前を縛り付ける鎖となるだろう」
「縛り付ける…鎖」
「わたしが、箱の中身を知りたいと思ったら、迷わず箱ごと、叩き潰す。すべてをー」
右手で何かを握りつぶす仕草をみせるリオナ。
サワコは、うやうやしく、目を伏せる。
「わたしは、まだ、甘いということですね」
「気にするな…、いい知らせを期待している」
サワコが退室した後、リオナが、コードレスフォンを耳にあて、コールする。ほどなく、相手と繋がった。
「ユリア…、お前に調べてもらいたいことがある」
スーツの胸元から警察手帳を取り出し、捜査員に突きつけるようにつめよる女刑事。
「け、警部補?」
肩書きに
仰天する所轄の捜査員。
「いいから、被害者の証言を聞かせてくれ!」
「は、はい!被害者の少女たちのなかで、ひとりだけ意識を取り戻した者がいまして…何か取り乱した感じだったようですが…」
「それで!?加害者は顔見知りだったのか?」
「いえ、顔には包帯が巻かれており、はっきりとはわからなかったらしいのですが、加害者のほうが名乗ったそうです。“高橋みなみ”と…」
「そんなはずはない!そんなはずはないんだ!彼女は死んだはず…」
「えっ!」
不思議そうな捜査員をよそに、考えこむ女刑事。
「誰かがなりすましてるのか…?同姓同名…?それとも、本当は、生きて…」
「主任、調べてみましょう。あの事件と何か関係があるのかも」
隣で聞いていた部下が促す。
「あぁ、そうだな。死んだ人間には、逮捕状はおりないからな。早く車をまわせ!」
「はい!」
と、元気よく返事をし、部下の刑事は、車のもとへ走り出した。
「季節外れの怪談話か…、忙しくなりそうだ」
小野エレナの自宅ー
リビングでテレビを見ながら、宿題をしているエレナ。ほとんど、宿題は進んでいなかった。
玄関のドアの開く音がした。誰かが帰ってきたようだ。
お笑い番組に夢中で、エレナは気がつかない。
廊下を進む足音が
リビングに近づく。
リビングの扉を開け
エレナに声をかける少女。
「ただいま、エレナ」
振り返り、エレナが笑顔で応える。
「あっ、おかえり!お姉ちゃん!」
広尾ー
超高級マンションの一室に、部屋主のアンダーガールズ総統ー太田リオナと秦サワコがいた。
リオナは、先程、かかってきた電話を終えると、サワコの前のソファに腰を落とす。
「まるで、“シュレディンガーの猫”だな…」
ぽつりとつぶやくリオナ。その真意は読み取れない。
「物理学者シュレディンガーの思考実験のことですね…、箱の中の猫は生きているか死んでいるか、という…」
箱の中の猫が、生きている場合と死んでいる場合が重なり合った状態ー
同時に、生きている猫と死んでいる猫が存在する状態が生まれる。
「生と死が同時に存在する世界…、そんな事象(もの)は、ありえない…生きている確率が50パーセント、死んでいる確率も50パーセントなんてな…
だが、100パーセント、中の猫の状態を知る方法がある」
「それは、その箱を開けてみればいい、ということですか?」
リオナの表情に、特別な感慨はみられなかった。ため息をつきながら、言う。
「サワコ、お前は強い…、“最強”といってもいいだろう…」
「恐れ入ります」
「ただ…、潔癖すぎる…、高潔と呼べるかも知れない…、それが、お前を縛り付ける鎖となるだろう」
「縛り付ける…鎖」
「わたしが、箱の中身を知りたいと思ったら、迷わず箱ごと、叩き潰す。すべてをー」
右手で何かを握りつぶす仕草をみせるリオナ。
サワコは、うやうやしく、目を伏せる。
「わたしは、まだ、甘いということですね」
「気にするな…、いい知らせを期待している」
サワコが退室した後、リオナが、コードレスフォンを耳にあて、コールする。ほどなく、相手と繋がった。
「ユリア…、お前に調べてもらいたいことがある」