#15ー7☆ | AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」

#15ー7☆

十階


だるまの首筋にジャックナイフを突きつけ、前田を牽制するアンダーガールズ隊員。


「卑劣?こんくらい、普通だよ!勝つためにゃ、常套手段さ!」


前田は、もちろん、峯岸、マナツ、ミナ、スズラン、須田、カナ、そして、ジュリナまでも、矛を収めるしかなかった。皆、無抵抗で、殴られ続ける以外に手は…
なかった。

単純だが、とても効果的な手段。


「くっ!」

仲間が無抵抗で殴られるー
それを見る前田の心中は、察するにあまりあるものがあった。見るに耐えない。自分がやられるのは構わないー。だが、仲間まで…。


「だるま!目を覚ませ!」
殴られながら、だるまに呼びかける前田。


「あつ姐…?」
朦朧とする意識のなか、ようやく、前田を認識することができただるま。

「あ、あつ姐!ゆ、夢やない!か、身体のほうは、大丈夫でっか?」


「だまれ!お前も、動くな!」

だるまの首筋に、ジャックナイフの刃の腹のほうを押しつける隊員。

続けざまに
別の隊員に殴られる前田。と、その仲間たち。

だるまは、ようやく、状況を把握した。しかし、四肢は縄で縛られ、自由が利かない。手も足もー。

「あつ姐!おれのことなんか、どうでもいいですよって…。なんも、気にせんと、こいつら、ぶっとばしたってください!」

そう言われ、はい、そうですか、と、行動に移せる前田ではなかった。

それでも、だるまは懇願する。
「あつ姐ええええええ!」

「だまれ!やられてーのか?」


ジャックナイフが、だるまの首筋に突き立てられる。

一瞬
前田とだるまとの、瞳の交錯。無言の会話。


今まで、無抵抗だった前田が、殴りかかろうとした敵を、逆に殴り倒した。

「なっ!?」
戸惑う、ナイフを持った隊員。一瞬の隙。

「だるま!」

「うわああああ!」

だるまが、上半身を思い切りのけぞるように逸らし、反動をつけての

頭突き。


紫の特攻服が、床をすべるように、転がっていった。
同時に、抵抗できなかったジュリナたちも、反撃に転ずる。

素早く、だるまの縄をほどく前田。
「よくやったな!だるま」

「あつ姐…すんまへん…」

自分の不甲斐なさー

そのために、前田は、死ぬような闘いを繰り返し、倒れても倒れても立ち上がり、何度も死線を超え、なお、傷だらけになりながら、とうとう、自分を助けにきてくれたー

そんな前田に、何を言っていいのかわからない。情けなさでいっぱいのだるまだった。
ただ、涙を流し、あやまることしか出来なかった。
だるまの気持ちを、前田は充分わかっていた。
前田自身も、だるまが無事で、どんなに嬉しかったことだろう。だが、表には、おくびにも出さなかった。

それは
照れくさかったからかもしれない。


「学ラン!トモミ!アスカ!無事か!?」


「あ…敦子…」

「前田…」

「前田の…姉貴…」


三人も、なんとか意識を取り戻した。そして、自由を取り戻す。

「敦子…お前、そんな傷だらけになりやがって…」

「お前らだって…」

「すまない!前田…」

「ごめんなさい…姉貴…」

よかった…、無事で…

前田の死闘をモニターで見て、知っているだけに…

よくぞ…ここまで…

学ランも歌舞伎シスターズも、涙をこらえることは、出来なかった。


前田にも、ようやく、安堵のー


ガシャーン!

いきなり

雰囲気を粉々にする衝撃音。

紫の隊員が、強化ガラスの窓に投げ飛ばされ、激突した響き。何者かによってー。


「お涙頂戴は、そこまでだ!」

黒い特攻服の親衛隊、
隊長ー高柳アカネが、室内に足を踏み入れていた。

全員の動きが止まる。

「親衛隊…隊長…」
「高柳さん…」
「黒鷲…」
「アカネさん」

三番隊隊員が、隊長、平田と同じくらい畏怖する存在。“黒鷲”の異名を持つアカネ。


マナツが、遠くから見つめる。複雑な想いを胸にー。



「いいところで、邪魔すんじゃねーよ!」
鉄拳のミナが、アカネに殴りかかった。

ミナの拳が、アカネに当たる、と思った瞬間、逆に、ミナのほうが吹き飛んでいた。

黒鷲の羽ばたき。右の裏拳か。

「この部屋には、弱いやつしかいないみたいだな…」

三番隊隊員に対する重圧のような言葉。それを聞き、勢いを盛り返す紫の特攻服たち。まだまだ、人数では、前田たちを圧倒していた。決死の思いで、攻撃を繰り出してくる。背水の陣。やらなければ、やられる。



周囲の争いの
喧騒のなか、アカネの目には、もはや、前田しか映っていなかった。自分の配下の者をことごとく破ってきたー。

射抜くような、猛禽類の眼差し。全身から噴出する、どす黒いオーラ。


「前田…、わかってるよな…」


前田も、アカネから瞳をそらさず、立ち上がる。

二人の間に、もうこれ以上、言葉は、いらなかった。


「うあああああ!」

「うおおおおお!」

前田が、左拳を

アカネが、右拳を


振りかぶった。