#14ー7☆
須田の動きは縦横無尽なものだった。天才的な野性のカン。自然と、理にかなった攻撃。それに、ついていけない前田。幾度となく、傷つき、倒されていた。
峯岸は、その闘いを、ほぞをかむような思いで見つめていた。須田の特殊能力は、それほどまで、本人になりきることができるのか…。
「『前田ぁ!そんなものか?がっかりさせんなよ!』」
「はぁ…、はぁ…」
須田の風雨のようなパンチやキックにさらされ
瀕死にあえぐ前田。さらに、顔や全身の傷が増えていった。
(強い…たしかに、でも…)
何かが、違う。絶対に違う。
「あああああああ!」
前田の起死回生の雄叫び。
前田は、握る拳に、ちからを込めた。
気合いの入った前田のパンチの連打。
避けきれず、何発もくらう須田。
「うおおおおお!」
前田のラッシュは止まらない。
「『ぐはっ!ぐほ!』」
須田は、反撃することも出来ず、防戦一方になっていた。
(前田…、お前は、闘いのなかでも、どんどん強くなっていくんだな…)
感慨深く見つめる峯岸。
前田は、殴り続けながら叫ぶ。
「須田!お前は、お前なんだ!ほかの誰かになんか、なれないんだよ!」
前田が、渾身のちからを左パンチに込めて放った。
吹き飛び、床をすべり転がる須田。
「発勁を受けてわかった…。威力がカノンのものと違うと…。モノマネは、所詮、モノマネ。マナツが言ってたように…。さっきの動きが、誰なのかはわからない。でも、お前は知らないだろう。そのひとの“凄さ”を…、ほんとうの“マジ”を」
卒業式のことを思い起こす前田。
よろよろと、須田が壁づたいに、姿勢を保つ。素の状態に戻っていた。
「わたしは…、あなたに見てほしかった…。これだけ強くなったこと…。ずっと…、見続けてきた、あなたに…。そして…、勝ちたい…。勝たなきゃいけない…。わたしの恩人であるあなたに…」
「恩人…?」
「勝つことが、恩返しなんだ!」
須田が、超スピードで姿を消した。
何もない空間から、須田の拳が突然あらわれる。
「くっ!」
距離をとる前田。頬が裂ける。
さらに追撃。
(迅い…。でも、動き出す前の一瞬を狙えば…)
須田が消える前に、動き出す前に、奥の手をー。“龍神”をー。打つ。
(いくよ…、みなみ)
祈る。
“龍神”
相手との距離を常人では捉えられないくらいのスピードで、一気に詰め、その運動エネルギーを全身に集約し、極限まで引き締めた筋肉、バネ、気の力を左の拳に乗せ、斜め下方から、一気に解放するように相手の顎に打ち込む。打ち終わったあと、左腕、全身が伸びあがる様は、まるで…。
前田が、須田との距離をはかる。
そして
一気に、動き出す前の須田との距離を詰め、
“龍神”を打ち込んだ。
打ち込んだ、はずだった。
しかし、ほんの一瞬、紙一重の差
須田が、上半身を反らし、かろうじて、かわしていた。
身体がバランスを失調し、うつ伏せに倒れる前田。
「かわされた…」
初めて…
呆然とする前田。疲労感が一気に、前田を襲う。全身の脱力感。
「あぶなかった…、あのとき見ていなかったら…」
須田は、中学時代の前田のアノ喧嘩も見ていた、知っていたのだ。
「前田!わたしは、今日ここで、あなたを超える!」
峯岸は、その闘いを、ほぞをかむような思いで見つめていた。須田の特殊能力は、それほどまで、本人になりきることができるのか…。
「『前田ぁ!そんなものか?がっかりさせんなよ!』」
「はぁ…、はぁ…」
須田の風雨のようなパンチやキックにさらされ
瀕死にあえぐ前田。さらに、顔や全身の傷が増えていった。
(強い…たしかに、でも…)
何かが、違う。絶対に違う。
「あああああああ!」
前田の起死回生の雄叫び。
前田は、握る拳に、ちからを込めた。
気合いの入った前田のパンチの連打。
避けきれず、何発もくらう須田。
「うおおおおお!」
前田のラッシュは止まらない。
「『ぐはっ!ぐほ!』」
須田は、反撃することも出来ず、防戦一方になっていた。
(前田…、お前は、闘いのなかでも、どんどん強くなっていくんだな…)
感慨深く見つめる峯岸。
前田は、殴り続けながら叫ぶ。
「須田!お前は、お前なんだ!ほかの誰かになんか、なれないんだよ!」
前田が、渾身のちからを左パンチに込めて放った。
吹き飛び、床をすべり転がる須田。
「発勁を受けてわかった…。威力がカノンのものと違うと…。モノマネは、所詮、モノマネ。マナツが言ってたように…。さっきの動きが、誰なのかはわからない。でも、お前は知らないだろう。そのひとの“凄さ”を…、ほんとうの“マジ”を」
卒業式のことを思い起こす前田。
よろよろと、須田が壁づたいに、姿勢を保つ。素の状態に戻っていた。
「わたしは…、あなたに見てほしかった…。これだけ強くなったこと…。ずっと…、見続けてきた、あなたに…。そして…、勝ちたい…。勝たなきゃいけない…。わたしの恩人であるあなたに…」
「恩人…?」
「勝つことが、恩返しなんだ!」
須田が、超スピードで姿を消した。
何もない空間から、須田の拳が突然あらわれる。
「くっ!」
距離をとる前田。頬が裂ける。
さらに追撃。
(迅い…。でも、動き出す前の一瞬を狙えば…)
須田が消える前に、動き出す前に、奥の手をー。“龍神”をー。打つ。
(いくよ…、みなみ)
祈る。
“龍神”
相手との距離を常人では捉えられないくらいのスピードで、一気に詰め、その運動エネルギーを全身に集約し、極限まで引き締めた筋肉、バネ、気の力を左の拳に乗せ、斜め下方から、一気に解放するように相手の顎に打ち込む。打ち終わったあと、左腕、全身が伸びあがる様は、まるで…。
前田が、須田との距離をはかる。
そして
一気に、動き出す前の須田との距離を詰め、
“龍神”を打ち込んだ。
打ち込んだ、はずだった。
しかし、ほんの一瞬、紙一重の差
須田が、上半身を反らし、かろうじて、かわしていた。
身体がバランスを失調し、うつ伏せに倒れる前田。
「かわされた…」
初めて…
呆然とする前田。疲労感が一気に、前田を襲う。全身の脱力感。
「あぶなかった…、あのとき見ていなかったら…」
須田は、中学時代の前田のアノ喧嘩も見ていた、知っていたのだ。
「前田!わたしは、今日ここで、あなたを超える!」