高笑い坊主のお経が終わり、旦那様の位牌を返すために、高笑いがこちらに来て、話し始めました。

私は内心、笑っていたことがばれていないか、と、言うか、マスクの中ではまだ笑ってしまっていました。

ですが、高笑い坊主の一言目で、笑いが一瞬にして冷めました。

…ご主人は、結構、動き回る人ですか?

質問の意味がわからず、は?という顔をしていると、高笑いは続けて、

…普通なら、あちらにおかけになっているんですが、

と、御住職の座る正面に、パイプいすが一つ置かれているところを指すのです。

私も、お経の途中に気が付いて、あんなところにパイプいすがあるなんて、なんでかしら?と、不思議だったのですが、

それでも、え?と、なりまして、しばらく考えて、

…つまりは、亡くなった方があのパイプいすに座っていらっしゃるということですか?

…はい。

…御住職は見えるんですか?

…はい。と、にたぁ~と笑うんです!!

さらに、…普通なら、読経を始める前に、パイプいすにお掛けになられている(亡くなられた)ご本人に、始めさせていただきます、との意味で、目を合わせて、会釈をしてから始めるのに、パイプいすを見たら居なくて、ご家族の居る方向に歩いてしまっていて、びっくりしましたよ!!と、クレーム??を言われ、

…仕方がないので、ご挨拶なしで始めて、しばらくすると、また全然違う所にいて、

境内を歩き回っていたようで、

と、呆れたように、クレームが続き、

…ご主人は、結構動き回る方でしたか?

と聞かれ、…はい、そうかもしれません…としか答えられず、

…あ、病気されていたから、今まであまり動けなかったからかな!!と、笑うんです。

なんて言葉を返していいのかと考えながら、とりあえず、

御住職はいつから見えるんですか?…子供の頃からです

どんな風に見えるんですか?…亡くなられた方は、白黒です

などと質問をしてみました。

そして、亡くなった方も、ちゃんと飲んだり食べたりするんですよ、

家に帰ったら、温かいものを上げてください。と、旦那様からのリクエストを伝えてくれました。

そして、お骨の話しになり、生前、旦那様が希望していた、散骨をしますのでと伝えました。

その時、少し間があき、…撒きに行く時に、(旦那様も)付いていくと思いますよ。と言われました。

そして、高笑い坊主にお礼を言い、お寺を後にしました。

帰りの車の中で、娘は、最初は、私の笑い上戸に怒っていましたが、

高笑い坊主の話しになると、最初は、私達を元気づけようと、話を作っていたと思ったけれど、本当に見えてるんだね、と、信じたようでした。

この時は変わった人だけど、高笑い坊主をいい人だと思ってしまった私は、半年後、また衝撃を受けます!!