桜庭一樹「ファミリーポートレイト」

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桜庭さんの作品を読むのは4作目。
読む前、私はタイトルの印象から「荒野」のような家族の物語をイメージしていた。しかし「荒野」の瑞々しい思春期の空気感とはまったく異なり、むしろ「赤朽葉家の伝説」の目まぐるしい壮絶な人生の移り変わりや、「私の男」の退廃的な親子の絶望感に近く、むしろ凌駕しているかもしれないと思った。

本作品は二部構成となっている。前半は幼いコマコと母親マコの10年間の奇妙で壮絶な逃亡生活を、後半はマコを失った後の作家になって売れるまでの20年間を自分自身を削って作品を書き上げる作家の生き様を書いている。後半は作家にまるで桜庭さん本人の叫びを書きだしているのかなとも感じる。

500ページを超えるボリュームもさることながら内容の濃さに打ちのめされる。
現実離れしているとか、設定がおかしいなど、ツッコミどころは多いかもしれない。
しかしこの世界にぐいぐい引きこまれ圧倒される筆力がある。
賛否両論かもしれないが、私は久しぶりにガツンときた。

桜庭一樹、恐るべし!

内容紹介
あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。

直木賞受賞後初の書き下ろし長編1000枚。
全身全霊感動のエンディングを迎える、恐るべき最高傑作!

ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。
怒涛のごとき展開と濃密な物語に圧倒されながらページを繰る手が止まらない第一部「旅」、紙上の文字がいまにも叫び出しそうな言葉の力に溢れ、この作品を同時代に読めた喜びに震える第二部「セルフポートレイト」――二部構成となる本書は、進化と深化が止まらないモンスター作家・桜庭一樹の新たな金字塔となった!  面白くて、どこまでも凄い!!! 

内容(「BOOK」データベースより)
あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。『赤朽葉家の伝説』『私の男』―集大成となる家族の肖像。