2007年の読書を振り返る


もう一月も半ばになってしまったが、遅まきながら2007年の読書を振り返ってみる。

2007年もブログ仲間の皆さんの記事やコメントを参考にさせてもらい、
充実した読書ライフを送ることができた。お世話になった皆さんに感謝したい。

まずは2007年下半期の読書リスト。上半期の読書リストはこちら

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今回は2007年の一年間を振り返ってみる。
2007年に読んだのは56作品(62冊)。
通勤電車内読書がほとんどのほぼ一週間一冊ペースのゆっくりマイペース。
2週間に一度くらいの図書館通いで図書館本が3分の2を占めた。
例年よりも新刊本をわりと早く多く読めたのは、いつも参考にさせてもらっている
『朝から晩まで本を読んでいたい』 のりあむさんの「気になる新刊本」の記事や
「マイベスト本」の記事などを参考にさせてもらい、図書館入庫前にいち早く
リクエスト票を出しておくワザを覚えたところが大きいようだ^^。


それでは、読んだ作家別に少し感想を書いてみよう。


恩田陸 6作品


「中庭の出来事」「チョコレートコスモス」「朝日のようにさわやかに」「象と耳鳴り」
「木洩れ日に泳ぐ魚」「蛇行する川のほとり」

2007年は恩田さんが演劇に向かっているなあと肌で感じた年。中でも「チョココス」は
読んでいると迫力ある舞台演技が目の前に展開されてきて度肝を抜いた。2007年の新しい
作品はどれも恩田さんらしさが出ていて充分楽しめた。比較的初期の「象と耳鳴り」は、
べるさんのイチオシらしく関根ファミリが活躍するバラエティ豊かな味のある本格ミステリ短編
を堪能した。恩田作品読了は通算17作品、まだ半分も読んでいないから、これからも楽しめる^^。


村上春樹 5作品


「中国行きのスロウ・ボート」「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」
「ダンス・ダンス・ダンス」

小川洋子さんのエッセイを読んで村上春樹が読みたくなり、今まで気にはなっていたが、
これまでほとんど読んだことがなかったため、2007年後半に村上春樹フェアを開催してみた^^。
まずは初期の作品を5作品。読んでみるとたちまちその世界に引き込まれ、あたかも同化してしまったか
と思うような、確かにそこにいたような経験を味わえるのが不思議だ。
「羊を~」以降、作風が変わってきているのにも注目。
独特の村上春樹ワールドが何となくぼんやりと見えてきたかな。
2008年はもう少し読んでみよう。


佐藤多佳子 4作品


「一瞬の風になれ」「黄色い目の魚」「しゃべれどもしゃべれども」「サマータイム」

2007年本屋大賞に輝いた「一瞬の風になれ」は高校生スプリンターを描いた真っ直ぐな
熱い青春ドラマで打ちのめされ、他の3作もそれぞれ不器用な主人公たちが挫折しながらも、
真正面からぶつかっていく様が読後とても気持ちよく、それぞれが心に残る作品だった。
この佐藤さんの4作品は本当にどれも素晴らしい。


重松清 3作品


「カシオペアの丘で」「くちぶえ番長」「青い鳥」

重松さんの作品は感動する作品が多いのだが結構重いものが多いというイメージがある。
「カシオペアの丘で」は正面から死に向かい合った心に響く作品だった。
「青い鳥」は連作短編だが一つひとつが心に染みる。心に傷を持った子供たちに必要な
大切なものはなにかを教えてくれる。間に合って良かったとなって欲しい。
「くちぶえ番長」は小学4年生に掲載された子供向けの作品だが、大人が読んでも
4年生の頃を思い出しながら楽しめる。


奥田英郎 3作品


「町長選挙」「サウスバウンド」「家日和」

伊良部シリーズ第3弾の「町長選挙」は時の人をモチーフにしている分、伊良部先生の活躍が
少なかった。少しマンネリ化かな。しかし「サウスバウンド」は痛快で面白かった。「家日和」
は奥田さんの持ち味が出ている家をテーマにした短編集。


小路幸也 3作品


「東京バンドワゴン」「シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン」「東京公園」

東京バンドワゴンのシリーズは「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」などのホームドラマを
思い起こさせる。下町の大家族の食卓は賑やかで、そこで起きる事件は大家族みんなで解決
していく。LOVEだねえ。いいセリフだ。「東京公園」はカメラマンを目指す大学生が
東京の様々な公園を舞台にして家族を友情を見つめていく。じんわりと温かい作品だ。
2007年は「東京バンドワゴン」で始まって、上半期は「シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン」
で締めくくり、しかも年末は「東京公園」で読書を終えた。
偶然ではあるが2007年は節目で小路幸也さんの作品を読んだことになる。


森見登美彦 3作品


「夜は短し歩けよ乙女」「新釈「走れメロス」他四編」「有頂天家族」

2007年はモリミーの年と言ってもいいのかもしれない。京大卒の作者が手がける京都を
題材にした作品たち。「夜は~」タイトルもいいし、装丁も素晴らしい。そして京都の街を
駆け巡るファンタジーは京都らしく微笑ましい。「走れメロス」ではかの名作たちが同じ
延長線上のテイストで展開される。「有頂天家族」はその名のとおり弾けた狸たちが京都を
闊歩する。天狗たちも彩をそえる。是非、ジブリでアニメ化を期待する。


万城目学 3作品


「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「ホルモー六景」

モリミーと並ぶ京大出身の京都ファンタジー作家だ。「鴨川ホルモー」は独特な世界を
見事に描いている。そんな作品に引き込まれて思わず「ホルモーーーー!」と叫びたくなる。
鬼語を勉強して参加してみたくなる。「ホルモー六景」はそこから派生した6つの物語で
ホルモーの世界の広がりを見せてくれる。同志社はやっぱり出てくるよね。しかしまさか
あそこまでとは・・。「鹿男」は奈良を舞台にした女子高ラブコメファンタジー。これも
なかなか面白かった。ドラマも期待。


宮部みゆき 2作品


「名もなき毒」「楽園」

社会派宮部みゆきが過去の名作の続編を綴った。杉村三郎が活躍する「誰か」の続編である
「名もなき毒」では社会に潜むさまざまな毒を描いた。また「模倣犯」で重要な役を演じた
前畑滋子が登場する「楽園」では事件を起こしてしまう毒をもった人間の身内の苦悩が描か
れ、家族愛や家族の絆がクローズアップされる。辛い内容が描かれているが宮部さんらしく
どんどん引き込まれどちらも読後感は良い。


伊坂幸太郎 2作品


「終末のフール」「チルドレン」

もっともっと読んでいきたい作家の一人。どちらも軽快なタッチで読ませてくれて、
しかも読後感の良さに舌を巻く。上手いなあこの人。
新作の「ゴールデンスランバー」も評判が良いので楽しみにしている。
2008年はもっとたくさん読もうと思う。


その他


スポーツものが面白かったのも大きな特色だった。
「一瞬の風になれ」「風が強く吹いている」「DIVE!」
真っ直ぐに熱く、挫折しながらもがむしゃらにぶち当たっていく様は、
清々しく気持ちが良い。

このほか、梨木香歩の「家守綺譚」独特な雰囲気が印象深かったし、
小川洋子の「ミーナの行進」も懐かしくもあり優しい作風と挿絵の素晴らしさにも惹かれた。
また北森鴻の香菜里屋シリーズや有川浩の図書館シリーズも読んでいきたい。


2007年マイベスト10


2007年マイベスト10に絞るのは非常に難しいのだが、強いてあげるとこの10作品。
(順不同)

・「チョコレートコスモス」 恩田陸
・「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子
・「青い鳥」 重松清
・「サウスバウンド」 奥田英郎
・「シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン」 小路幸也
・「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦
・「鴨川ホルモー」 万城目学
・「楽園 」 宮部みゆき
・「風が強く吹いている」 三浦しをん
・「DIVE!」 森絵都