医師が8人辞表
今朝のテレビでやってました。新しい市長が、医者の給料を下げると言ったために、医者がそろって辞表を出した、というニュース。これ、よくわかるなあ。一般のひとからみると、2000万は明らかにもらいすぎで、1300万で我慢してよという気持ちかとも思いますが、1300万もらってもやる気がしないほど、今きつい仕事のひとつが医者の仕事なのです。8人だと、ほぼ週1回当直が回ってきて、夜中寝られないんだろうなあ、とかいろいろ苦痛な感じがわかります。
市長も、なったばかり言わなくても、少しずつ話し合っていけばよかったのに、いきなり伝わったから頭にきちゃったんだろうねえ。
テレビのコメンテーターも、医者も少しつりあげすぎじゃねえか、みたいなこと言ってたけど、あいつはいくらもらってんの?
医者がなぜ少ないか?足りないか?まずは突然減った印象をもつひとも多いですが、やはり突然減ったのでしょう。なぜか、厚生省の研究医制度がまずあります。今までは大学のそれぞれの科に入局して、そこからいろいろな地方のの病院に派遣されていく、若いときは地方で修行し、また大学にもどり、研鑽を積んでやがてまた別の地方の病院へ行くということになっていました。
ところが、この研修制度は、まず2年間自分の行きたい総合病院で研修します。つまり都会に集まりやすい。大病院に集まってしまう。するとまず大学が手薄になる。つまり本社が手薄になる。そこで、本社はがんばっていたのですが、本社が仕事にならないでは、つぶれてしまうため、地方から若手を呼び戻します。すると地方は、若手を引き抜かれ、研修医は来ず、人数半分で年寄りばかりになり、当直できず、またマンパワーなければ、訴訟なども起きやすくなり、辞める医師続出、病院がつぶれるという循環に入っているのです。
しかし、この悪循環はみんな予想していました。厚生省も施行前から絶対知っていたはずです。舛添さんも絶対知っている。でもやった。それは、まずはそれによって大学の力(人事力)を弱めたかったからです。そしてもうひとつ、地方の小さな病院につぶれてほしかったにちがいありません。
それで、医療は大中病院に集中し、そこにお金を集めて医療すればよいという考え方です。
しかし、予想外に中規模の病院ほど危なくなってしまった。その地域のひとの命も危なくなってしまった。
この案を発案したお役人は、どこの誰で、ということは一切わかりません。
もうひとつ、この制度で、がんばるべき研修医のみなさんはどうかというと、もちろんすごくがんばっている人もいるに違いないし、優秀なひとはばりばり知識と技術を身につけていると思われますが、しかし、指導する僕らの感覚では、5時に帰ってしまうし、休日も極力呼んではいけないし、で医者のABCの部分が身に付かないのではとも思うし、もちろん過労の問題もあって、無茶はしてないけど、医者のしごとって9時ー5時の仕事じゃないでしょ、というのが、ポリシーにあるような気がして・・・。
それで、最初にもどるのですが、命を守るために、残業もいとわず、休日出勤もやってるので2000万くらいはやってほしい、1300万だったら、別の仕事できるよ。コメンテーターとか。
開業医ばかりが増えて、医療費はそちらにとられてしまってるから、総合病院は全くもうかりません。そのため、医者の給料が、負担になってるのはわかりますが、その部分で黒字を出す必要があるのかという議論と、どうしても黒字にするなら、薬価と材料費のむちゃくちゃな値段、これを下げれば、どの病院も赤字は少なめに設定できるはず。いい医者は、安い値段ではなかなか来ない時代になってしまいました。厚生省がその値段設定をもう少し下げる努力をしないと、レセの点数で病院いじめばかりやって、開業医さんばかり大事にしてるとこういうことになっちゃうな。
給料安くても意気に感じて、病院に残るだけの魅力があれば別ですが、たぶんあの市長にはその資質が欠けているのでしょう。話し合う前から、ひとの給料下げる話をよそでするのは、人格も疑われてしまう。
かわいそうなのは市民だと思いますが、選んだのは市民だから、それも承知というわけではなかったのでしょうか?