「駆け出し」中島要
続•筆墨問屋白井屋の人々
「駆け出し 続筆墨問屋白井屋の人々」中島要
朝日新聞出版
2023年刊行「誰に似たのか筆墨問屋白井屋の人々」の続編です

大店の娘だったお美代の母親、お秀
好きな男と駆け落ちをしてお美代を授かったが夫は早世
着物の仕立てを生業にして母子で長屋で暮らしているのは変わらず
お美代は、女ばかりが務める料理屋で修行中の板前として働いており、嫁に行く気配もない
お秀の実家の白井屋は兄で真面目一本の太一郎の代になり、売り上げは低迷中
跡継ぎの一之助もこのままでは代替わりもないままに店が潰れてしまうのではないか、と気が気でないが、新しい思いつきを提案しても生真面目な父親は受け入れようとしない
一之助は父に似ず?吉原へも足を運びそこで知り合った祖父の太兵衛の知り合いの大店の主と顔見知りにもなっており可愛がられてもいた
真面目な太一郎の息子の一之助が吉原?
祖母のお清は、夫の太兵衛の女遊びに苦労したので太一郎を厳しく育てた
結果、遊びも知らない大人になってしまった事を後悔して孫に小遣いを渡して吉原へ遊びに行かせていた
お清の判断が功を奏し、吉原での繋がりから白井屋の窮地を救うことになる
こんな頼りになるお清だが、今作では冒頭から外出もせず寝込んでおり、認知機能が低下してきた様子を心配して白井屋に母に会いに行くお秀の様子が描かれている
兄嫁のお真紀は義母の世話は雇い人に任せっぱなし
毎日忙しいお美代にも顔を出すように促すお秀
お清とのお別れは近づいてきている
お美代を見ても若い日の娘、お秀だと思い込み、話すことと言えば亡くなった祖父の女遊びの愚痴ばかり
祖母の姿に驚き悲しむお美代だったが、昔馴染んだ屋台の蕎麦を食べさせる事が出来たら昔の事もお美代の事も思い出してくれるのでは?と思い立つ
前作ほどの面白い展開は無いが、お美代や一之助の成長ぶりや、思いついたことがそう簡単にサクサク進まない展開などは、中島要らしい
若い者の発案は意外性もあって良い面もあるが、どこか独り善がりに成りがちという事をそれとなく教えてくれる話の流れ
今回も完結せずに「今はこんな感じかな」な終わりになりました🤭


