
「まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖 」
織守きょうや 文藝春秋
織守きょうや(おりがみ きょうや)
初読みの作家です
時代小説はこれだけでなのかな?
他の作品は違うジャンルが多い
主人公は二十歳になったばかりの岡っ引き佐吉
半年前に亡くなった父親・義平は「相生町の親分」と呼ばれ定廻りからの信頼も厚く手下を何人もつかい、同心の須永与一郎に仕えていた
岡っ引きの見習いだった佐吉は須永のはからいで、義平の跡を継がせてもらい手札をもらったばかり
幼馴染の町医者、浅葉秋高(しゅうこう)
派手な身なりで、腕がいいと人気
派手な身なりで、腕がいいと人気
佐吉が初めて関わる殺しの検死などに協力し事件解決のために活躍する頼もしい相棒
もう1人の幼馴染、日本橋で女向けの小間物を扱う有田屋の若旦那、直太郎も事件解決に協力
気の強い働き者の姉、心強い幼馴染、心根の優しい本人、とよくある設定だが
扱う事件のテーマは、まるで現代の問題のよう
それを江戸時代に上手く取り入れている
五篇の短編
まぼろしの女…殺された男が隠し続けていた自身の秘密
三つの早桶…武家屋敷で三人が斬り殺される事件が起こるが町方は武家屋敷での事件には介入できない庭で斬り殺された1人の若い男について、佐吉が世話になっていた鳶の親方、千次が男が「なぜ屋敷にいたのか腑に落ちない真相を探ってくれないか」と頼みに訪れ、佐吉なりの調べが始まる
武士の矜持とは何なのか
武士の矜持とは何なのか
消えた花婿…大店の息子と娘、結婚が決まった若い二人のバラバラ死体が見つかる。まるで横溝正史ミステリーのようなどんでん返し!ラストへの話の流れ方も良い
夜、歩く…夜の町中で死体の横に二十四文銭が置かれる辻斬りが頻発する。便乗犯の予想外の思惑
弔いを終えて…人生の終わらせ方、思いもよらぬ愛の行方
主人公を囲む人間関係はよくある話ですが、内容(結末も含め)は個性的で面白かったです
ちょっと気になったのが、仕えている同心はほぼ登場せず、若い新米の岡っ引きが単独で捜査しちゃってるね🤭ってところ