
「秘密の花園」朝井まかて
日本経済新聞出版社
2月下旬に読み終えていました😅
滝沢馬琴の生い立ちやその家族の話、「南総里見八犬伝」などを執筆する過程や蔦屋重三郎や他の版元との駆け引きなど知らない事が多く面白かった
文筆の話だけにせずに、家庭内のゴタゴタした話や悪妻と呼ばれた妻のだらしなさなどの日常生活を挟むことで、作家としての滝沢馬琴を詳しく知らなくても楽しめるような内容になっている
大名の家臣の家の三男として生まれるが、父親の急死で紆余曲折あり三男である幼い馬琴が主家の孫である八十五郎の小姓となる
酷い癇症であった八十五郎の暴力に耐えられず出奔
物事の理解力も低く病的にサディスティックな子供であった八十五郎、家督は継げたのか?と検索してみたら他家より養子が入っていたので病没したのか、始末されたのか…😅
以後、仕事は長く続かず青年時代は放浪生活を送る
悪妻として有名だった妻をそのまま書くのではなく、自身の生んだ子供でもない幼子を引き受けて育てたりしていた太っ腹な母性を持つ女性であるというように、見方を変えて書いている点が良い