
「吉野朝残党伝」 天野純希 潮出版社
1月末に読み終えていた作品です
南北朝と言われていた時代を過ぎ、山奥へ奥へと逃れた吉野朝(南朝)
自らを後醍醐天皇の後胤と名乗る、玉川宮敦子と後鳥羽帝の後胤と名乗る、鳥羽尊秀
「正しい政を行う世にするために、京の将軍・足利義教の打倒と南朝の再興するために共に戦おう」と同じ志の元、集まる南朝の残党たち
主人公の多聞たち身寄りのない子供達を隠密部隊「菊童子」として訓練し、暗殺、奇襲、破壊工作など裏の仕事を担う
過酷な訓練を乗り越え、子供ながら凄腕の兵士として数々の仕事をこなし吉野朝を支える
猜疑心が強く、誰の事も信用しない足利義政の恐怖政治の中で息を潜める大名達、北朝と袂を分かち南朝へと流れる者も現れる中、幕府の南朝追討の大軍が差し向けられ、死闘を繰り広げる多聞ら菊童子
登場人物もあまり馴染みのない名前が並び、時代も今ひとつ分かりにくいのだけど、天皇の後胤と名乗る美しい二人をおいたことで話に面白みが出ている
中盤から、鳥羽尊秀の幼い頃の話が挟み込まれてくると、少し様相が変わってくる
鳥羽尊秀とは、果たして何者なのか?真の目的は何なのか?
分かりにくい武将の事は、横に置いといて😅ドキドキハラハラな場面も多く敵もしっかり手強くて、面白い作品でした