「真田の具足師」武川佑 読了 | pyonpyon ブログ

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「真田の具足師」武川佑 PHP研究所

今年も残り2ヶ月と少しになって

「今年一番の本」に出会ったかもしれない🙌



初めての作家です



武士の鎧兜一式を作る具足師

1つの甲冑を仕上げるために何人もの具足師達が関わる

その要となる、真田の赤備えを作った与左衛門を主人公にした熱い男達の物語



南都奈良の甲冑屋 岩井屋の息子

岩井与左衛門

小牧・長久手の戦いに備え徳川家康から甲冑の注文を受ける

岩井屋は与左衛門の父が始めた店で南都の甲冑屋の中では新しい


そこへ来た大きな注文だった

甲冑の制作には通常一年はかかるのだが三月で仕上げろとの依頼だった

どこも断る無理な注文だった為、岩井屋へ回ってきたのだ


父から全てを任され家康の甲冑を仕上げた与左衛門

小牧・長久手の戦いの後、家康は甲冑の背に流れ弾を受けた際に甲冑が破損し負った傷の予後が悪いと言う話が密かに流れる



与左衛門はズクを打った(不良品を作った)責任を取らされ勘当される


具足を仕立てる事しか出来ない与左衛門は浜松に向かい家康の元へ


与左衛門の具足師としての才能を知った家康から間者となり不死身(しなず)の胴、と言われる真田の具足(刃金)について調べ上げてくることを命じられ、目付役の忍びの女をとともに上田へ潜入する



徳川の間者でありながらも、真田の甲冑屋となり真田の者達の魅力に引き込まれるように共に戦場へ具足師として参戦する


信繁最期の戦となる大阪夏の陣



真田の不死身の胴の最期の花道は興奮し感動する



信濃国上田合戦で徳川の重臣を震撼させた猿面と天狗の面をつけた異形の武士



真田の二人の源三郎(特に信繁に源三郎兄と呼ばれる武士がいい)



共に支え合うことになる徳川の女忍びも優しさと強さがカッコイイ



後半で明かされる真田の忍びの元締には戦国の世に生きる者の強さを感じる



結末の分かる時代小説ではあるが、有名な登場人物を印象的に登場させたりスリルのある展開であったり、それぞれの最期には愛が感じられるいい小説だった