
下級武士の娘、長沼栄津。下級武士の長沼家では病に伏せる母に代わり娘の栄津が家事全般から畑仕事までこなす。幼馴染みの隣家の長男に恋心を抱くも叶わぬままに母を看取り身勝手な長兄と御徒小町と呼ばれていたがキズモノとなり渋々嫁いで来た兄嫁。主人公栄津の苦労話?と思っていましたが、現代人でも「まあ、そうなるよね」と思えるような身の処し方をする栄津の人生と幕末へと向かい武士が武士の矜持をどう保つか、時代に翻弄される武士の家族達。
栄津を取り巻く寡黙な夫、ちょっと遊び人の義父、厳しいが筋の通っている義母。実家の下人として働き栄津をじょうさま、と使えてくれた治助の過去など登場人物とその生い立ちは短い文章で印象が強く残る。
終わり方は、この作家の特徴でもある見方によっては途中で終わった印象もあるだろうが、大人な終わり方
私は、好きですね。
中島要作品、他にも読み終えているのですが感想文を載せる時間がとれない😅