
久しぶりに面白かった田牧大和作品
デビュー作から気に入って読んでいたのだけど、シリーズものの鯖猫長屋と藍千堂菓子噺があまり好きじゃなくて😅少し離れていた
これは、書き下ろし作品で時代ミステリー
主人公の歌舞伎役者、市村座の人気の女形「荻島清之助(新九郎)」が八百屋お七の非業の死にまつわる手毬唄に関わる祟りの噂の真相を探る
巴江屋の紅花太夫、読売屋の庄次、太夫付きの新造たち、新九郎の隠れ家の庵で働く老女ふき、など登場するキャラクターも良い
最後の謎解きまで、妖しく美しい禿が実在するのか幻覚なのか分からない進み方も良い
読み終えて、小野不由美「東亰異聞」の妖しく美しいものに魅入られてしまう者をふと思い出した