「貸本屋おせん」高瀬乃一 読了 | pyonpyon ブログ

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「貸本屋おせん」高瀬乃一
文藝春秋

第100回オール讀物新人賞受賞作品

「貸本屋おせん」
高瀬乃一    文藝春秋

審査員の満場一致で受賞した作品だそうです

作者、初の作品集

をりをり よみ耽り
板木どろぼう
幽霊さわぎ
松の糸
火付け

松の糸と火付けは書き下ろし

全て、貸本屋を営む「おせん」がからむ話

読本の板木彫師だった父親が奉行所の取り締まりに合い、全ての板木を削りとられた上、指まで折られ、その後の荒れた生活の中で妻に逃げられ失意の中で12歳の「おせん」を残し自死

天涯孤独のおせん、父親の知己だった本屋「南場屋」、長屋の住民達に助けられながら、どうにか貸本屋として独り立ち

読本の文化がこんなに盛んだったのか?と初めて知った😅

貸本屋の立ち寄り先や何らかの関わりのある所で起きる事件

後半には読本をめぐっておせんの身にも危険が降りかかる

事件の犯人が以外な人物だったり、この事件の本筋はこっちだったのか!
など、ストーリーの組み立てや推理も楽しめる

1話「をりをり よみ耽り」では、おせんがおきゃん過ぎて「あんまり好きじゃないなー」と思って気乗りしないまま読み進めていましたが
3話辺りからは、そんな場面も減り、話の展開も面白くなって来ました😁
シリーズにも出来そうなキャラクターの主人公
ラストもこれで終わるも良し、続きがあるならそれもまた良し😊な終わりかた

次の作品が楽しみな作家です!