「ある男」平野啓一郎 読了 | pyonpyon ブログ

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「ある男」平野啓一郎 文藝春秋

今月封切りになる映画「ある男」の原作です。

かなり凝ったミステリーなので、詳しくは書けないけれど


主な登場人物は
弁護士の城戸(妻夫木聡)
ある男(窪田正孝)、宮崎県の田舎で暮らしていた控えめで真面目な彼が林業の事故で亡くなる。
彼には結婚して4年の妻とその連れ子の男子、2歳になる実子の女児があった。
彼の死後、妻は彼から一切連絡するなと言われていた彼の実家に彼の死亡を連絡をし、彼から聞かされていた仲違いしている兄が訪ねて来た事で「自分の夫が名乗っていた氏名も素性も本人のものではなかった」という事が発覚する。

ただ、彼が妻に話していた家族との話は事実であり亡くなった男が名乗っていた男性とは何らかの接点と面識があった事は間違いない。
殺人事件なのか、戸籍乗っ取りなのか?
地元警察に事情を届け出るが取り敢えず、行方不明者届けのみ受理されるが、既に提出された死亡届けや受け取った保険金をどうするのか途方にくれていた妻が頼ったのが、かつて結婚していた時に拗れていた離婚調停を担当してくれた弁護士の城戸。
城戸は、高校生の時に帰化した横浜在住の在日三世である。
在日という事で表面的には生活での問題は無いのだが、東日本大震災を経験した事により関東大震災時の虐殺のような事が再び起こりはしないか自分の家族がその対象になるのではないか、という不安と恐怖が心の底にある。

共通するのは
「抗えない生い立ち」

暴力や殺人などの場面は一切無い。探偵ものでもなく、弁護士の出来る範囲内での行動で静かに進んでいく。

詐欺罪で服役中の男、ある男が名乗っていた人物の実兄、その兄に反目していた男の実際の姿の描きかたが写実的でいいね

現実味があるって感じかな

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