「闇の盾 政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男」寺尾文孝 読了 | pyonpyon ブログ

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「闇の盾  政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男」
寺尾文孝     講談社

どなたかの本紹介で知り、暴露本みたいな?位の興味で読み始めたら、もう面白くて一気に読みました

著者の人生も波乱万丈でそれだけでも小説の主人公になれそうな逸話の数々に加え、彼の関わった事案が昭和の新聞、雑誌、テレビを賑わせた事件の数々
登場人物も実名で書かれており、当時は知らなかった事件の裏まで書かれています。実際に関わった者じゃないと書けない内容ばかり。

著者の寺尾文孝という人物について少し紹介しますと
1941年長野県佐久市に生まれ、地元高校を卒業後1960年警視庁入庁
東京水上署、第一機動隊勤務を経て1966年に退職
若いながら肝のすわった所があり上司からは可愛いがられていたので、商才もあり繊維売買の商売などをしていたが、元警視総監の秦野章参議院議員の秘書となり警察、検察に圧倒的な強い人脈を築く

1976年には土地開発会社エーデル・パレス社を設立し都心にビルを持つほどに。
バブル期には元暴力団関係者(コスモポリタン)に乗っ取られかけていた大証一部上場企業・日本ドリーム観光の副社長として乗り込み闇勢力の排除に成功し600億円を無事回収。この件だけでも当時、世間を賑わせたコスモポリタンの、イトマン事件の主役達でもあった許永中、伊藤寿永光等々関係者達、山口組系宅見組など週刊誌などでよく見た名前が続々と登場する。
自らも伊豆に大規模なリゾート開発を手掛けたがバブル崩壊で頓挫し、その後は危機管理専門「日本リスクコントロール」し、多くの依頼を処理。
徹底した事前調査と情報収集により突破口を見いだし政界官界の中枢に張り巡らせた人脈を繋げる事で一つ一つ案件を処理していく。
政治家、企業経営者、宗教団体、著名人などあらゆる所から持ち込まれる相談事やトラブルに対処し解決する知る人ぞ知る「最後の仕事人」

ロッキード事件、ガマのお告げで有名になった投資詐欺の尾上縫、投資ジャーナル中江滋樹
芸能界では小林旭、バーニングプロダクション周防郁雄社長、江本孟紀、映画解説者水野晴郎

元警察官僚の佐々淳行との関係を読むと晩年に佐々氏がマスコミや公の場からも遠ざかり病で淋しく逝く事になってしまった理由が納得いく内容でしたね

息もつかせぬ圧巻の手記!