

「湖畔荘」上下 ケイト・モートン 東京創元社
イギリス、コーンウォール地方を舞台にした作品
どうも、作者はこのコーンウォールという土地に愛着があるようで
他の作品でもこの土地が舞台になっているらしい
主人公は、ロンドン警視庁に勤務する女性刑事セイディなのだが、この人がストーリーテラーのような役回りになるのかな
ロンドンで問題を起こし、謹慎を命じられたセイディは祖父が住むコーンウォールを訪れる
そこでジョギング中に森の中で忘れられたように木々に覆われた古い屋敷〈湖畔荘〉を見つける。ここでは70年前に屋敷の赤ちゃんがミッドナイトサマーのパーティーの晩に忽然と姿を消すという事件が起き、迷宮入りしているということを知り、興味を持って調べ始める。
話は1930年代と現在の2013年を行ったり来たりしながら、この屋敷の当主だった夫婦(妻エレナ)の幼い頃の話、夫との運命的な出会いと大恋愛の末の幸せな結婚生活や子供たちとの幸せな生活、夫婦に暗い影を落とした第一次世界大戦等々
姿を消した末っ子のセオは、誘拐されたのか?亡くなったのか?犯人は誰なのか?
こちらの予想を裏切るような展開で話は進み、上下巻とも300ページを超すボリュームを感じさせない面白さ
時代が行きつ戻りつする手法も、章の始めに「1933年」など年数が書かれているのですぐに慣れます
昔の話の時代は「ダウントンアビー」の時代とちょうど被るので(タイタニック号の沈没とか)、読みながら頭に浮かぶ映像はあの雰囲気
ラストは、なんだか懐かしの横溝正史(金田一耕助シリーズ)のラストに良く書かれていた「大団円」ような σ(^_^;)オー懐かしい
ちなみに「大団円」(だいだんえん)とは
丸い円を意味する団円には、その形から「欠けることなく完全に終わる」という意味もある。
この意味から、「全てがめでたく収まる結末」を大団円と言うようになった。
こういう事です
まぁ、突っ込みどころはいろいろあるけれど
時代や舞台となっている土地などロマンティック系サスペンス小説
ハードな話が好きな私ですが、こういうのもちょっといいかなと思って
また同じ作家の本を読みます