「為吉 北町奉行所ものがたり」宇江佐真理 実業之日本社
主人公は、北町奉行所付き中間の為吉
多分、「髪結い伊佐治」のようなシリーズ化を狙っての初回っぽい内容
為吉は北町奉行所で中間の仕事をしているが、元は呉服屋の跡取り息子だった
まだ小さい頃に、押し込み強盗に入られ両親は殺されてしまうが、母親が為吉を店袋に隠したため一人生き残った
母の妹に引きとられ成長するが、叔父とは折り合いが悪く家を飛び出す形でいろいろあって北町奉行所の中間の仕事についた
為吉の話は、両親を殺した強盗と言われる青蜥蜴が捕まり奉行所までの連行をする話と自身の結婚の話くらいで、他は為吉を取り巻く人々の話
与力の妻の話や、後に舅姑となる岡っ引きと霊能力を持つ女房の話など
現代のニートみたいな男が美少女を誘拐して自分好みに成長させようとする話があるのだけど、犯人の男の全く反省の無い態度や言動が現代の事件に寄せすぎている感じがしてちょっと興ざめ
時代モノを好む読者にとっては、現代との差がいいのだから
全体的には、人の心の中に焦点を当てた内容のように感じた
まだ、登場人物に馴染みが無いので、特に感動もなく、さらっと読み終えた
新刊が出るのを心待ちにしている作家なので、次回作はもう少し濃い内容の小説を期待したい
Amazonのレビューは熱心はファンが書いていて、☆を4つもつけていたけど
私は、☆2~3ってとこだな