「三成の不思議なる条々」岩井三四二 | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。

三成の不思議なる条々 「三成の不思議なる条々」 岩井三四二 光文社



こういう本を待っていた


関ヶ原での戦が終わってから30年経った頃、関ヶ原の生き残りの侍を訪ね三成の人となりを聞きとるという仕事を言いつかった町人が江戸や上方まで出向き、世間に知られていない三成像を聞きだす


訪ねて行く相手は位の高い大名などではなく、実際に関ヶ原に行った鉄砲頭や、関ヶ原の戦いに敗れ落ちて行く三成を捕え京都まで同行した足軽、安国寺恵瓊の元に仕えていた僧、三成の元小姓等々


聞き手の町人が狂言回しの役となり、当時の事を思い出しながらその土地の方言丸出しで話す


聞き手の質問はいつも同じで(話す方は好きに話し時おり脱線もする)、自分の目で見た関ヶ原の様子について、三成という人物に会った(あるいは見聞きした)印象、戦の手立て(布陣)はどうだったのか?、なぜ石高の低い三成が西軍を率いる様な立場にあったのか?、関ヶ原の戦いは家康と三成のどちらに理があったのか?


それぞれの立場(藩によって)にいた者がそれぞれの見方でその質問について答える


それぞれが知る三成についてのエピソードを語る


途中途中で町人が口をはさむ事や話し役の者の話が脱線していくところなどは、余分だったように思うね

これは無くても作品として成り立ったと思うけどね~



計11人(バラエティーに富んでいる人選)への聞き取りを行い、12人目が最後がこの聞き取りを依頼したさる藩の侍


ここへ行きつくまでの間に、後年捻じ曲げられて伝えられた三成像を少しずつ正していく



また、裏切り者と言われた小早川秀秋や毛利のそれぞれの立場と言い分なども書かれており、これについては言われてみれば確かにそうだよね、な理由




最近は、ざっくりとした感想文しか書いていませんが


メモはこんなに細かくとっているのです(´□`。)




試験勉強かよっ (;´▽`A``




目次を紹介(ちょっと面白いので)


「あんな男に天下が振りまわされておったのか」関ヶ原で立てた手柄が自慢の黒田家臣 衣笠三郎兵衛


「結局、左衛門大夫は弱かったのよ」百戦錬磨で大酒飲みの福島家臣 星野新右衛門


「威勢がいいばかりでは、世の中を渡れはせぬ」内職に忙しい前田家浪人 鹿内喜三郎


「策士策に溺れるってやつかな」三成の密書の秘密を知る真田旧臣 原源九郎


「三成がひとりで動いたわきゃあねえぞ」宇喜多家の元鉄砲頭、いま庄屋の隠居 鵜野惣兵衛


「輝元どのは油断ならぬ御仁でな」安国寺恵瓊の腰を揉んだ和尚 瀧譚瑞月


「あれはあれで死に所を得たのかもしれんて」少年三成を知る尼 応慶尼


「変わり者、いうのかなあ」三成を捕えた元田中家足軽 高岡甚内


「太閤さましか、使いこなせなかった」三成の墓参りを欠かさぬ元小姓 北野七郎


「小早川中納言は、裏切っておらぬ」裏切りの現場を見た小早川旧臣


「誰も一日で決着がつくなんて、思っていなかったっや」関ヶ原にほとんど関わらなかった上杉旧臣

板垣掃部助


「わぁが家の関ヶ原は決着さ、ついたな」じつは関ヶ原に深く関わった津軽藩主 津軽越中守信枚




面白い本でしたよ~