「心中しぐれ吉原」 山本兼一 角川春樹事務所
山本兼一らしくない感じの内容の話でしたね
急逝した作家なので、作品の内容で出版というより、今ある原稿をどんどん単行本にしようという事かしらね~
蔵前の札差、大口屋 文七が主人公
妻のおみつが役者と心中をするが、おみつが役者と心中をするなど信じられないと調べ始める
幕府が徳政令(武家が札差にした借金が棒引きになる)を出した事により、文七は商売をたたむことにする
花魁の瀬川を身請けし田舎に家を建てそこでゆっくり余生を過ごしはじめるが、強盗集団に襲われ大けがをし持ち金の大半が奪われる
その後は癒えない傷に苦しみながら何とか暮らしていたが、身請けした瀬川が昔の嫌な客に逆恨みされて刺されてしまい最後は二人とも亡くなるという誰も幸せにならない結末
途中、瀬川との情事の描写ばかりが目立って、どういう方向に話を進めたいのか?何がテーマなのか?迷走したまま話は終わる
おみつの心中の真相もありがちな内容で、男性誌で見かける読み切りの官能小説のよう・・・
あとがきに、作者が急逝した事により大幅に加筆、訂正したと書かれていた
どこをどう加筆したのか分からないが、余計な事をしない方が良かったのではないか?
この本より、「修羅走る 関ヶ原」の感想文を早く投稿したいんだけどな~
思い入れが強すぎて、ゆっくり書きたいと思っていたら、どんどん日にちが過ぎて行く