「祭の日」 北原亞以子 | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。

祭りの日 慶次郎縁側日記  「祭の日 慶次郎縁側日記」  北原亞以子 新潮社




1話完結の短編が9つ


主人公の慶次郎は、元町廻り同心で仏の慶次郎と呼ばれていた男だったので、引退して根岸で寮番をしながら暮らしているが(寮番と言っても、まるで別荘でゆっくり暮らしているようなもの)いろんな相談事が持ち込まれている


「祭の日」松戸から江戸に出て来た若い職人がちょっとした行き違いから道を踏み外しそうになる話

「目安箱」粗暴な態度が原因で店をクビになった娘が店からお金を脅し取ろうと乗り込むが、店の人のきちんとした態度を見ているうちに自分の粗暴な態度のはしたなさに初めて気づかされいたたまれなくなってしまう話

「黒髪」スリを生業にしている娘が慶次郎の養子晃之助に見つかった事をきっかけに叶わぬ恋に身を焦がす話(この話、好きだったな・・主人公の娘はダレノカレ明美のイメージ(笑))

「かぐや姫」人はいいが仲間と二人でこそ泥をしている男が目の不自由な娘の家に泥棒に入るが娘に人目惚れし、彼なりの不器用さで陰ながら支えようと頑張る話

「お茶漬け蓬莱屋」慶次郎も贔屓にしているお茶漬け屋の家族愛の話

「冬ざれ」隅田川に高価な銀の煙管を捨てた男を見かけた岡っ引き「蝮の吉次」が男の事を探るうちにその男の夫婦愛に触れ、吉次が一途に女房を愛していた頃を思い出してしまう話

「そばにいて」母を早くに亡くし父娘で暮らしてきた父の自慢の娘がお店の奥様の身の廻りの手伝いの仕事につくが突然止めて家に戻ってくる、他の女中のやっかみでいじめられた事を知った父親が店に怒鳴りこんだ事で騒ぎになり、娘は心を閉ざしてしまうが娘の心の内をわかってやろうと仕事を辞めてまで娘と一緒に過ごして心を開こうとする父の話

「風光る」根岸の寮へ慶次郎を訪ねて若奥さんが来るが生憎慶次郎は留守、慶次郎の身の回りの世話をしている老人の佐七が慶四郎を真似てその相談事を聞く、年取った母が若い男と暮らし出して世間体が悪いし恐らくお金目当てだと心配していると言う。女を渡り歩いている様な男のようだが最終的には、そう悪い男でもなく年上の母への愛情も本物の様だと分かり、再び根岸に慶次郎を訪ね御面倒をおかけしましたと挨拶に現れた娘だったが、肝心の慶次郎は話を聞きながら「?」。佐七は慶次郎に伝え忘れてしまっていたのだ。しかし伝え忘れた事で誰も動かなかったので話も大きくならずに結果的に良かったという話

「福きたる」子供の出来ない商家の女房が茶屋で子供を3人連れた職人風の男と出会う。その子供が転びそうになったのを助けようとして一緒に転んでケガをしたことがきっかけで、男の家族との関係が始る。やもめ暮らしの男と元気のよい子供達と付き合ううちに思いやりの無い夫との冷めた夫婦関係を終わらせて一緒に暮らしたいと思いはじめるが金に汚い夫は300両で離縁状を書いてやると言い、周りからは遠回しに、これ以上、男を惑わしてはいけないと忠告されてしまう。勝負をかけて買った富くじが当り、これから自由な身で男とその子供たちと暮らしていけるという願いが叶う話



大きな事件もなく、市井の小さな出来事を書いている話ばかりだが、長く続いていたシリーズだったので登場人物にも愛着があり好きな作品だった


好きな作家が亡くなると寂しいわ



作者もこれが最後になるとどこかで思っていたのかな?主人公の慶次郎が若くして亡くなった娘との事とても懐かしがるシーンが何度か出てきていた



昔、NHKでドラマになっていたからまたやればいいのに






今読んでいる本はコチラ






がらりと変わって、笑えるエッセイです о(ж>▽<)y ☆

外でコーヒーしながら読んでいると、面白くてニヤニヤしてしまったりプッと吹いてしまったり・・


気分が音譜になる本です




金曜日に書店で気になって買ってしまった文庫本2冊


本屋大賞もらって評判の「百田直樹」の時代モノ←喋りが達者で面白い人よね~(考えは偏ってるけど、ぶれてないからいいね)


もう1冊は、私の大好きな東直己(「探偵はバーにいる」の作者)のノーチェックだった初耳~な本

主人公の「くるみ嬢」は、名探偵で風俗嬢っていう肩書らしい(笑)









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