「へこたれない人 物書同心居眠り紋蔵」 佐藤雅美 読み終る | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。

商品の詳細  「へこたれない人」 佐藤雅美 講談社



これは、シリーズもの



最初の頃は、まだ主人公「藤木紋蔵」の子供たち(4~5人)も小さかったのに、だんだんと成長し養子に行ったり嫁いだりしている



今回は、嫁いだ長女(稲)の夫が幼い娘(千鶴)を残し急死する



稲の義父である紋蔵の朋友蜂屋鉄五郎は、稲に「人生の先は長い、稲はまだ若いのだからどこかに再嫁出来るように手を尽くす」と言う


拒んでいた稲だったが、養子として実家の15歳の文吉を剣持家へ迎え将来は千鶴を嫁にしてこの家を盛りたてて行くという事になり安心する


この文吉は元は島流しにあった町人の息子で幼い頃から土地のやくざ者に度胸を認められ、杯を買わすほどの少年だったが、いろいろあって紋蔵の家に養子として入り(他に男子もいたが)、その後は紋蔵の子供として暮らしていた



文吉は、藤木家に対しての返せない程の恩を感じており、この話を受け入れる




文吉の新しい生活の中で知り合った人達をからめながら、平凡だが面白い話がいくつか出てくる



夢野夢之助の話では、文吉が御家人の仲間入りしたことで知り合ったちょっと変わった大名の息子夢之助


大名の三男であったので親が2千石を割いて旗本に直らせ、さる大名の売れ残りの姫を嫁にもらったが


背が低く容姿の悪い彼を姫様いわく「親戚一統の集まりにみっともなくて顔を出せない」と実家へ帰ってしまった


面目まる潰れの夢之助は父親に願い家中から選りすぐりの美女を迎え後釜にした


それにカチンときた姫は(実家の下屋敷と夢之助の住居の下屋敷は隣り合わせ)隣接する庭に大きな池を作り雨が降ると隣の敷地へ溢れた水が流れ込むように普請し、夢之助の抗議も無視するので、だったらと家来たちが一計を案じ姫様側の屋敷の門前真向かいの小さな土地を買い、そこに上屋敷、中屋敷から掻き集めた男物の黄ばんだ褌や下着をのべつ干し、姫様達が出入りする度に否が応でも目に入るようにした


そんなやり合いが続き、その内、親の殿様同士も険悪な仲になってきて・・・という話など



夢之助は、文吉の事を気にいっているらしく気軽に藤木家を訪ねてきたりしていて、この先の話でも登場しそうな予感


文吉が、新しい生活が始まった家へ帰宅する度に幼い千鶴(2歳)に「ただいま戻りました」などと律儀に挨拶するところが、真面目な彼らしくて可愛い



また、それに対して幼い千鶴が挨拶を返したりして、それも可愛い



文吉いわく、将来のお嫁さんだからちゃんと挨拶しなくてはいけない、らしい



今回も、ほのぼのした面白い話だった





次は、これを読んでます



商品の詳細   「おもかげ橋」 葉室 麟




急いで読まないと、あと3冊取り置きがある  (@_@)