300頁くらいの作品なので、トータル4時間弱で読み終ったかな
主人公は、風早家の女中で16歳の菜々
風早家の女中として働き始めるまでは、城下でもはずれの山奥の赤村に住んでいた
母は、庄屋の娘に生まれ鏑木藩の藩士赤坂長七郎に嫁ぎ菜々を生んだが、三歳の時に城中で刃傷沙汰を起こし切腹し家はとり潰され、母子で赤村の実家に戻って生活していた
父は、穏やかで刃傷沙汰を起こすような思慮のない人ではない、必ず相当のわけがあったはずです、と母は言い暮らした
日ごろは優しい母だが、仇討ちなどという物騒な話をつい漏らしてしまう事もあった
娘である自分がその無念を晴らしてやりたいとも思っていたが、現実的は無理な話であった
祖父と病弱だった母が亡くなり叔父の代となり、菜々は城下に出て武家屋敷に女中奉公しようと思い立つ
叔父の息子である宗太郎との縁組の話が出たことと、亡くなった母の無念を晴らしたいという心持もひそかにあった
渋る叔父に頼んで奉公先を探してもらったが、叔父からは「父親の事は内密にしておかないと難儀がふりかかるかもしれない」と言いつけられ、その事は秘密にしたまま奉公に出た
奉公先の風早家は百五十石取りの家柄で、当主は25歳の風早市之進、妻佐知は23歳、4歳と3歳の子がいる
何かと失敗の多い菜々に優しく接してくれる夫婦を菜々は尊敬していた
平穏に暮らしていた風早家だったが、佐知の病死、亡き父の仇と同じ男に罠を仕掛けられ投獄された市之進、窮地に立たされる風早家を微力ながら必死に支え続ける菜々と、生活の中で知り合った壇浦五兵衛(だんご兵衛)、質屋の女主お舟(おほねさん)、地元のやくざ湧田の権蔵(らくだの親分)、儒学者の椎上先生こと椎上節斎(死神先生)らに支えられて、市之進の無実を晴らし、亡き父の仇を討つ事ができるのか・・・
( )の名前は、菜々がその時の雰囲気や状況からそう思い込んで聞き違えた名前
健気な菜々の頑張りが嫌みじゃないのは、文章のせいかな~(これが山本一力作品だと、真面目すぎて鬱陶しくなるんだが・・)
まわりの人達も手放しで親切にしてくれるわけではないところも、気持ちいい
短期間で一気に読んでしまったせいか?(退屈しない話だから)主人公へ気持ちが入り込んじゃったみたいで、ラストは外出先で読んでいたのだけど、うかつにもホロッとしちゃったわ
涙もろいのは、先月1歳年をとったせいかしら~ σ(^_^;)