「兄さん、ひき肉をこれに入れて」
お母さんはそう言って、ビニール袋を差し出した。
僕はパックのひき肉をビニール袋に入れた。
お母さんはその袋にニンニクと生姜のチューブを
絞り、ガラスープの粉を入れて、
「兄さん、手の温もりが移らないように、
それを揉んでいて」
温もりが移らないようにって、難しい。
僕はなんとなく体温を控え気味に、
そのビニール袋を揉んで、中身を混ぜた。
お母さんはその後、
トントンと小気味良い音をさせ、
ニラとキャベツを刻んだ。
それを彼女がお皿に入れて、僕の持つ袋に入れた。
僕と彼女はお母さんのサポート役だった。
僕はその袋を、温もりが移らないように揉み続け、
お母さんの指示で冷蔵庫に入れた。
その後にお母さんは、
梅きゅうり用と、
生ハムとカマンベールに巻く用に、
きゅうりを刻んだ。
手際良く、家飲みの具材が仕上がっていく。
僕らはその後、コタツに座って、
袋に入った具材を餃子の皮に包んだ。
僕は初めてだったので、お母さんの教える通りに
具材を包み、皮を折りたたんだ。
でも思ったようにうまくいかない。
彼女もあまりうまくいかない中、
お母さんだけがスイスイと餃子を包んで行く。
僕と彼女は、まだ二十代のお母さんを、
畏敬の念を抱いて眺めていた。
To be continued........