★ 2月21日 日曜日
朝5時半過ぎ、
南天の上空を君臨しているかのように大きく
さそり座が、はっきり見える。
胸元辺の、あの赤い星アンタレスも。
宮沢賢治も、昔それを見て
「銀河鉄道の夜」を書いた。
サソリの話も出ている。
しかし、地球を含むこの太陽系自体、
銀河の周辺を周回しているのだから、
何万年後かには
今見えている星座の形もすっかり変わるだろう。
★ 2月22日 月曜日
今朝もよく晴れて、
南天にさそり座、
北天に北斗七星が、はっきり見える。
歩いていると、家の軒並みの動きにつれ
満天の星全体が、その形を変えずに
下側に移動していくような、
妙な錯覚を覚える。
まだ暗い夜明け前の
地上の騒擾な明るさに比し
それらは、か細くても
悠久な光りと荘厳な明かりを放って
いつまでも見飽きることはない。
★ 2月23日 火曜日
本を読むのは楽しい。
が、読むだけじゃ、つまらない。
読んだこと自体、忘れることも多い。
読みながらも
主体的に、どう考えるかが肝要。
読むことだけに終始するより
考える材料にしたいもの。
無理に、たくさんの本を読む必要はない。
要は、考える楽しさにしたいとも思う。
パスカルも言っている。
人間は考える葦であると。
宇宙の大に比べれば、
一本の葦みたいな存在かもしれないが、
その思考力でもって
宇宙を超えられると。
★ 2月24日 水曜日
人工的なものに囲まれすぎると
自然を見なくなる。
個人も社会も、自然から離反すると、ろくなことはない。
自然はいつも何かを教え
警鐘を鳴らしてくれている。
地上のものすべて、
ウィルスも人間も自然の一部であるし、
自然から離れられるものではない。
★ 2月25日 木曜日
今朝の星空も、くっきり。
これに反し、夜空は、
早朝に見る星座とは、異なっているし、
第一、周辺の都会の灯りの反映が
朝よりも明るすぎる。
朝の方が明かりも減じて、はっきり星が見える。
昔は、LED灯もなかったし、もっと暗くて
肉眼で6千個という文字通りの、
星が見えるくらいだった。
今では、大都会は明るすぎて
星が見えないのではなかろうか。
深遠な宇宙の姿を、直に拝めないというのは
大きな損失かもしれない。
★ 2月26日 金曜日
相手の話を聞きながら
即座に理解できるのは、
同時並行に、俊敏に想像しているから。
考える
推理する
論理を組み立てる
洞察する・・・
これらもすべて、
脳内で想像している。
「よく考えてごらん」と人に訊かれても、
考えること自体、
あいまいでよくわからないことがあるが、
緻密に想像してみる
と言い換えたら、わかりやすい。
人間は、
想像することで、創造できる動物。
★ 2月27日 土曜日
想像するということは
ふつう想像している以上に
精神機能の根本だと想像する。
思いを凝らすこと
思い至らなかったことも
みな想像の域内のこと。
物理の問題を解くことも
状況を事細かく想像しないと解けるものではない。
小説を読むことも
字面から自然に情景を想像している。
その読み込みもまた
個々の想像力に応じているという事実もあるが、
読者を引っ張り込んで
いかに自然に想像させるかが
小説の条件であるのだろうし、
また、翻って、あらゆる創造は
想像の産物だと想像してみる。