連日の猛暑ですが、
気化熱を利用した涼み方について、
他に、二つ紹介します。
一つは、打ち水。
夕方、庭など、地面に水を撒くと、
地面の余熱で、水が蒸発する。
その時、気化熱を奪い、地面の温度が下がり、
いくらか涼しくなります。
もう一つは、ミストシャワー。
これは、滝と同様で、
霧状の水しぶきが蒸発するとき、
気化熱を奪うので、周辺の温度が下がり、
涼しくなるというわけ。
木陰が涼しいのは、
この気化熱のせいだと、以前紹介しましたが、
涼の求め方は、この気化熱だけではありません。
山に登れば、平地より涼しくなります。
これも避暑対策の一つ。
100m上るごとに約1℃くらい温度が下がりますから。
なぜ、高いところに登れば、
気温が下がるのでしょうか。
高くなれば、気圧が下がるので
上昇した空気の塊が断熱膨張し、
自然に冷やされます。
なので、
山など、高いところに登れば、
水蒸気が冷やされ、凝結して雲ができたりします。
気化熱以外に、
この気体の断熱膨張も冷却作用があるということ。
例えば、人工降雪機も、
この断熱膨張による冷却を利用しています。
高い山に登って、しかも木陰があるところでは
猛暑の日でも、何とか、しのげるというわけです。
ついでに、
まだ他の暑熱対策について。
気化熱や断熱膨張の他にも、それはあります。
つまり、熱伝導を利用したものです。
例えば、土というものが、熱を伝えにくいという性質から、
地下は地上よりも、夏場はうんと涼しいということ。
井戸水は、夏は冷たく、冬は暖かいですね。
冷蔵庫のない時代、
井戸の中へスイカをつけて冷やしていました。
だから、山に登らなくても、
地下に行けば、夏は涼しい。
土というものは、熱を伝えにくいから、
一番暑い夏でも、その熱は約半年かかって地下に伝わっていきます。
うんと深い地下では、年中一定の温度になっています。
例えば、パリの天文台の、深さ28メートルの地下室では、
年間一定の11℃だということ。
地下は涼しいのです。
だから、植物の根は、猛暑の夏でも
案外楽に生きながらえています。
冬はその反対に。
地下生活は、根っこを養うものなんですね。
山に登らなくても、
深い地下に潜れば、
猛暑の夏でも案外涼しく暮らせるもの。
涼しいところに行ってみたい。