「津波と、ふつうの波は、どう違うの」
「津波は、地震が起きた時、
例えば、海底の地盤が急に沈下したら、
その上に覆いかぶさっている
海面から海底までの全水量が、沈んで、
復元しようと、また浮き上がるだろう。
その振動が、次々伝わって行くのが津波で、
これは、ものすごい膨大なエネルギーなんだ。
一方、ふつうの波は、表面波と言って、
主に風が作る波なんだけど、
大きな波でも、津波とは違って、
波の下は静かなもんじゃ。
とにかく、津波は、海底までの水の振動が、伝わって行く波で、
ふつうの波は、表面の振動が伝わって行く波なんだ」
「津波の映像を、YouTubeで見たんだけど、
湾に侵入してきた津波が、どす黒かったのも、
海底のヘドロが巻き上げられたんだね」
「そうなんだ。真っ黒い海水が、
大波となって、岩壁を超えて、這い上がって来たね」
「そういえば、大雨で増水した茶色く濁った
激流の川なんか、津波みたいじゃね」
「そうじゃの。水面から水底まで一緒に
流れているから、これもまた膨大なエネルギーで、
恐ろしいもんじゃ。
落ちたら最後じゃけん、気をつけんとな」