A「二十歳の頃に帰れたら、あの時、捨てたものを拾い直したい」

B「何か大事なものでも捨てたん」

A「恋」

B「コイ? 飼ってたの」

A「こいはこいでも池のコイ、ではなく、粋な恋」

B「えっ、初耳」

 

 

A「びっくりせんでも、若い時、誰でもしょうるが」

B「で、」

A「で、この宇宙は、多次元宇宙と言って、

瞬間ごとに、無数に枝分かれしているらしい。

過去に戻って、その折りたたまれた

もう一つの宇宙を選び取るってわけ」

B「いきなり、わけのわからんことを・・・

捨てた恋を拾い直すん? そしたら、私と逢えんじゃん」

A「とは言っても、タイムマシンなんてできっこない」

B「とか言っても、あの世は一つ。いつでも会えるわ」