小説みたいなもの(超短編)--狂気--その3 | ひでごんの独り言&小説みたいなもの

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何か気ままに
書いていこうと思います。

 そして俺は、すぐさま鍵をかけた。

 そうだ、このドアには鍵が付いていた。俺は、鍵をかけていたはずだった。鬼頭は、どうやって入ってきた。

違う。俺は、思い出していた。俺が、自分自身で開けたんだ。鍵を。

俺は、もうどうなってもいいと思って開けた。何故?。

 ドアをぬける前に眼にしたあの、死骸を思い出した。とたんに、はらわたがよじれる程の嘔吐が、俺を襲った。

まるで、体の中から全てを吐き出すかのような、嘔吐だった。同時に襲う、全身を襲う嫌悪感。

 あの死骸は、人間であった。女の。

腕と脚は、殆ど骨だけになっていた。胸の辺りも。

 頭の中の霞は、すでにとれていた。

 俺は、ここに閉じこめられて頭がおかしくなっていった。そして俺は、女を犯し続けた。そのうに俺は、死にそうなぐらいのどの乾きと、空腹にみまわれた。そして俺は、・・・。

 また激しい嘔吐が、俺を襲った。しかし、出てくる物は何もなかった。

 そのうちに、視野が暗くなってくる。そのまま、気を失ってしまった。



 どのぐらいたったのか。隣の部屋から聞こえてくる叫び声で、意識を取り戻した。

それは、鬼頭の人間のものとは思えぬ叫び声であった。発狂したか。

 俺は、恐る恐る部屋の中に視線を移した。想像はできたが、それは、想像を絶していた。

かつて人であった物が、散らばっていた。殆どが、骨だ。

 また、嘔吐が襲ってくる。

 人間は、極限まで追いつめられると、こうもあっさりと狂えるのか。鬼頭の事ばかり、俺は言えない。

実際俺も・・・。

 俺はここで、餓死するのだろうか。鬼頭の方が、少しは長生きするだろう。

向こうにはまだ、食料が有る。

 俺も、完全にいかれたらしい。この状況下で、腹が減ってきている。

 死ぬのはイヤだ。俺は、生きたい。人間の尊厳なんて、くそくらいだ。

 「カチャ・カチャン」突然何かが落ちる音が、鳴り響いた。よろよろと俺は、音のした方へと近づいていった。

そこには、ナイフと一丁の銃が落ちていた。それを、手にしてみた。大ぶりのサバイバル・ナイフと、リボルバー・タイプの拳銃だった。弾は、一発のみ。自殺ようか。かってに死ねと、いうことか。

 じゃぁ、このナイフはなんだ。どす黒い考えが、首をもたげた。

 自殺?。冗談じゃない。奴をぶち殺せばいいんだ。

俺はドアまで行き、激しく叩いた。

 「鬼頭。聞こえてんだろう。なぁ。決着つけようぜ。」

 俺は、耳をすませた。反応がない。もう一度、ドアを叩こうとしたとたん、「パン!」と、乾いた音がした。

間違いなく、銃声だ。俺は、半狂乱になって、ドアノブを回した。こちら側の鍵は、開けてある。しかし、開かない。

いつの間にか、向こう側の鍵がかけられている。

 「バカ野郎!。死ぬなら、鍵開けてから死にやがれ。こっちには、食い物無いんだぞ。」

 俺は開かないドアを、狂気の如く打ちならした。返事は、無かった。

そのうちに力つき、その場にへたり込んでしまった。

 「死にたくない。」

 拳銃を見つめながら、呟いていた。そして俺は、そいつをこめかみ押しつけた。

ふと、後ろでドアが開いてバタンと閉まる音が響いた。同時に、「きゃっ。」と、女の声。

振り返ってみるとそこには、床に転がる女が一人いた。怯えきった眼で、キョロキョロしている。

 俺と、眼が合った。その眼が、絶望へと変わった。俺は、どんな表情をしているのだろう。

そんなことは、どうでもいい。俺は、ナイフを握りなおしながら立ち上がった。

 飯の時間だ。