定点写真で見る東京今昔 鹿野晃

江戸、明治、大正、昭和の写真と同じ位置から

撮影した写真を比べる

1.寛永寺境内の焼け跡

江戸城無血開城を不服として彰義隊が上野寛永寺に立てこもった

新政府軍は一日で焼け野原とした

無血開城など大嘘であることがわかる

2.吉原大門 明治中期

落語に出て来る遊郭とはどういうところだったのだろう

なぜか写真はリアルな姿を残している

吉原や兵どもの夢の後

3.日比谷交差点 震災直後 1923

瓦礫となった廃墟から立ち上る猛火

呆然として立ち尽くす人々

大震災もうすぐ起きる気配あり

4.日比谷・帝劇、震災直後 1923

濛々と煙が立ち上り人々は放心したようだ

5.銀座4丁目 震災直後 1923

ビルが倒壊し人々は呆然自失している

6.銀座7丁目 震災後 1923

ビルが倒壊し瓦礫となっている

7.歌舞伎座 震災後 1923

  歌舞伎座は骨格だけ残り周辺の建物は潰れた

7.浅草凌雲閣 震災後 1923

12階建ての8階から上部が倒壊 12名即死

8.上野広小路 震災後 1923

広小路いっぱいに逃げ惑う群衆が溢れて

制御不能になっている

9.西郷隆盛像 震災後 1923

西郷の銅像いっぱいに安否連絡のメモが張り付けてある

大部分、震災関連のものに止めた

文学作品でこれらの情景を描いたものがない

当局が検閲したのだろう

これらのことは全部もう一度起きるだろう

しかし当局も人々も何の備えもしていない

そして隠ぺいが再来するだろう