美貌のひと 中野京子

西洋絵画に描かれた美しい人々に付いて描いている

日本は秋田に限らず美人の産地なのに日本女性が描かれてないのは、著者の教養が偏っているからだ

 

 

最後の絵画に心惹かれた

髪も眼も黒い、明らかに東洋系の白人だ

19世紀後半のロシア、青年士官は夫も子もいる貴婦人と激しく愛し合う

婦人は夫に離婚を申し出るが断られる

八方ふさがりの彼女は汽車に飛び込み自殺した

 

トルストイのアンナカレーニナだ

この絵画の女性が誰かはわからないが多くの人は

アンナカレーニナだと確信した

 

幸福に包まれた美しい女性もいる

しかし悲劇の女性の美貌は際立つ

日本の女優で絶世の美女と言われた原節子は、

目の前で、実兄を事故で亡くしている

日本一の美女と言われた山本富士子は、喧嘩して

映画界から干された

大正三美人の一人と言われた柳原白蓮(びゃくれん)は女癖の悪い炭鉱王と苦難の結婚を耐えた

 

要するに絶世の美女なるものは目鼻立ちではなく

苦難に耐え抜く力なのである

魅力的な男も同じだと思う