宿題をなくした学校

山形新幹線の終点、新庄の日新小学校の校長

浅井純さんが宿題をなくしたと言って

NHKで放送された

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240426/k10014432801000.html

 

浅井さんに初めて会ったのは浅井さんが30歳を

過ぎた頃だから30年近く前になる

気合の入った女性校長と私が親しくなってから

浅井さんには劇的な転機が訪れた

 

スペインにモンセラ・サルトと言って

読書教育を楽しいゲームでやらせる

「読書へのアニマシオン」を開発した人がいた

 

私にとっては生涯唯一の師だった

モンセラが主催する講習会に浅井さんを誘ったのだ

校長は教育委員会に丁寧に根回しして

浅井さんを一週間の講習会に参加させた

 

アニマシオンの基本的な哲学は

1.子どもに勉強を押し付けてはいけない

2.子どもの力を引き出さなければならない

の二つでそれを読書のゲームをやりながら

楽しく達成させる

宿題廃止の哲学はアニマシオンにある

 

宿題はなくせばいいと言うことではなくて

押し付けの宿題よりもっとずっとやる気を引き出す

その思想が教師全員に染み渡らなければならない

ニュースで知った人が哲学なしに宿題をなくしたらその学校の学力は間違いなく低下する

 

実践の前に教育哲学がなければならない

その哲学に基づいたメソッドが必要だ

そのメソッドを模倣するのではなく

目的と方法を徹底的に磨き上げなければ

逆に学力低下を招く

 

そのメソッドを実行するのは教師だから

教師を育てなければならない

これからの浅井さんの課題は教師を変えることだ

それが至難の業なのだ

 

もう文科省のやり方は地に落ちている

あちこちに第二第三の浅井さんが現れて

もう文科省はたくさんだという思想が

全国に普及してほしい

 

しかし先ず日新小学校がのろしを挙げ

燎原の火*のように新庄へ山形へ全国へと広がってほしい

*りょうげん;野原に燃え広がる火