ネットゲームやモバイルゲームでビジネスをするなら、
どういう収益モデルを設計するか悩みどころだ。
例えば、ゲームは完全無料にして、
広告費で稼ぐ方法。
始めにダウンロード代をとったり月額制にしたりと、
ゲームの購入・利用時に料金を徴収する方法。
そして、ゲームの利用こそ無料だが、
ゲームをさらに楽しむために、
アイテムや進行状況に課金していく方法。
これらの中で最も注目され収益を上げているのは、
課金システムと言われている。
その課金システムについての開発者講演 があり、
非常に興味深い戦術だったので、
備忘録の意味も込めてまとめておきたい。
課金には様々な障壁がある。
少額でもお金を払うという心理的障壁、
お金で解決しゲーム性が消失するというマイナス効果、
さらに対戦相手がいるなら相手との差がついてしまい、
ゲームが白けて参加者が減ってしまうという危険性。
これらのハードルをうまく避けながら、面白くて長続きして、
さらにお金も払う人がいるゲームにしなければならない。
そうした課金ゲームにするには、様々な仕掛けが必要だ。
1.課金ユーザーの割合を調整する
実際に課金をしているユーザーは、
ゲームの中に1割にも満たないという。
こうした課金ユーザーを増やすことも大事だが、
同じくらい無料ユーザーの保護も必要である。
課金による優位性を感じさせるのも重要だが、
あまり課金が広がると無料ユーザーが白けてしまう。
あまりに課金ユーザーばかりにならないよう、
課金アイテムの価格設定で割合を調整するとよい。
2.課金アイテムは、課金とわかりにくくした方がいい
課金でしか手に入らないアイテムは、
あまり作らないほうがよい。
それは、「金で解決した」と課金ユーザーが
周囲に悟られない配慮とともに、
無料ユーザーでも頑張れば
手に入るような設定にするためである。
そうすることで、無料ユーザーは、
なんとか手に入れるために、
時間をかけるか、もしくは課金してくる。
例えば、課金アイテムといえど、
通常アイテムの合成で生まれる武器にするが、
その確率は極端に低くしてみる。
ならば、運が良く手に入れたのか、
課金したのかわからない。
3.課金アイテムは、消費アイテムを中心にする
課金アイテムといえば、強い武器を販売することが思い浮かぶが、
それは良くないという。
そうしてしまうと、次々に強い武器を用意しなければならず、
武器のインフレが起こるのでゲームバランスが破綻する。
課金アイテムならば、使用すると消滅する消費アイテムがよい。
例えば、強い武器を生み出すための
合成確率が上がるような確率上昇アイテム、
そしてゲームが有利に進められる体力回復アイテム、
そして課金することでヘビーユーザーに近づける時間短縮アイテム。
これらは開発企業にとっても重要で、
消費アイテムは収益が予測しやすいという利点もある。
4.課金場面を演出する
「アイテムがあります」では売れない。
使用したい場面を作ることもまた重要。
例えば、滅多に出ないラッキーチャンスを逃したくない場面で、
課金すればラッキーチャンスを逃さないという演出。
これはラッキーチャンスにまた巡り合ってゲットするための、
時間短縮アイテムでもある。
また、今課金しないとまた面倒になことになりますよ、
という演出など。
課金させるには、戦略的なゲーム展開が必要だ。
ただあまりにも、課金課金と迫ると、
無料ユーザーは白けてしまう。
忘れてはならないのは、実際ゲームを盛り上げているのは、
ゲーム構成の九9割以上を占める無料ユーザーである。
彼らを楽しませてゲームを活性化させることが、
課金ユーザーの割合を増やしていく唯一の方法である。