インドでの外資製造産業が、
さらに盛り上がりを見せている。
エーザイ、インドで医薬品一貫生産:日本経済新聞
インドは国策で製薬産業を振興し、
15年の生産額は450億ドル(約3兆6000億円)を超える見通し。
生産用機器の調達費や労務費が先進国より3割以上安いとされる。
国際的な品質基準を満たす企業やそれを担う人材も増えている。
世界の工場といえば中国が代表されるが、
その勢いも、現在は一服し始めている。
中国といえば、人口が多く労働力があり、
人件費が安いことから、
労働集約型産業の製造業の現場にはうってつけであった。
しかし近年は、余剰労働力の減少や賃金上昇、
政治不安のリスクやビジネスモラル・製品品質の不信から、
新工場を手控える外資も少なくない。
経済学的見地でも、
ルイスの転換点 に近づきつつあることから、
中国労働の魅力は今後小さくなっていくことだろう。
そうした中国の衰退とともに、
代わりとしてインド等の労働力に
注目が集まっている。
というのも、
インドは56年の産業政策決議により、
長らく外資製造産業に
厳しい規制がかけられていた。
ところが91年の新しい産業政策に始まり、
近年の政府の方針転換により
外資に大きく拓かれるようになる。
これまでは規制の少ない
IT産業がインドを牽引していたが、
これからは製造産業にも
国家の成長を支えてもらう戦略だろう。
インドには外資製造産業が適する、
いくつもの魅力的な要因がある。
まず労働力の大きさや賃金が安いことは、
かつての中国と同じく魅力的だ。
それに加えて準公用語が英語であること、
IT産業が活発で優秀な人材が多いこと、
さらには知的財産権の保護などの法律も
しっかりしていることも見逃せない。
ただ、電気等のインフラ事業に不備があったり、
場所によっては治安リスクが高いところもあるが、
経済特区などの設定で、
デメリットを最小限に抑える努力がされている。
行き場を探し続ける外資マネーが一気に流入すれば、
インドも短期間で大きな成長を遂げられるだろう。
10年後の世界勢力図が楽しみだ。