営業秘密を守れ | 考え中の人

考え中の人

 
いろいろ考えてみたり、
考え中の人のブログです。

企業は日々たくさんの競合他社と闘っている。他社に負けじと、いろんな戦略や戦術を試行錯誤する。企業内部の情報やノウハウ、技術は、決して敵に知られてはならない。そんな企業にとって大事な「営業秘密」に関するニュースが、今日の記事に出ていた。

「経産省と法務省は、企業が自社の営業秘密を守れるように、裁判でその内容を隠せる新ルールを導入する。公判で秘密情報を特定しない「呼び変え」を認め、傍聴人やライバル企業に情報が漏れるのを防ぐ」 日本経済新聞より

企業が営業秘密を盗まれ訴訟したくても、裁判になれば「秘密」が世間に知れ渡ってしまう。刑事裁判の内容はだれにでも視聴可能であり、それで手の内が広く世間の競合企業にバレてしまっては競争力を失ってしまう。よって今までは企業は告訴したくても、営業秘密の流出を恐れ泣き寝入りすることが少なくなかった。今回はそうした問題を防ぐための規則であり、無論これは認められるべきである。

似たような論点で特許権の取得があげられる。企業は他企業にオリジナルの技術やノウハウを盗まれても、自社のものだと法的に証明できるように、特許権をとる。しかし皮肉なことに、特許権を取得するということは、自社のその重要な技術・ノウハウを特許庁にあまさず申請することになり、特許権になればその内容は誰でも閲覧可能となってしまう。特許権の内容をライバル企業に知られることで、対策を打たれたり特許権違反にひっかからない程度の類似ノウハウを出されたりする恐れがある。よって企業は特許権をあえて申請せずに、自社で秘密を保有することが往々にしてある。これは法律の失敗だろう。

裁判の呼び変えの話にしても特許権の話にしても、「秘密を公に守る」というのがそもそも矛盾している。自社のとびきりの営業秘密を保護するには、企業自身で情報管理を徹底するしかない。人に言ってしまった時点で、誰かに知られたと思っていい。人の秘密は多言はしないように。