小学生の頃、いつも遊んでた仲間がいた

放課後、原っぱに集まって野球をしたり、たまには人にも言えない悪いこともした(笑)

そんな悪友?と遊んだ後、いつも私だけ仲間はずれになる事があった

昭和50年代の当時は住んでる家にお風呂が無い家庭が沢山あった

幸い、私の家にはお風呂があった

それが仲間外れの原因

私以外の悪友はアパートに住んでいてお風呂が無く、いつも銭湯に通っていた

なので、遊んだ後、銭湯で待ち合わせをしていたのが子供ながらに羨ましかった

翌日、学校で銭湯で起きた話をされるとついていけなかった

それが悔しくて…

そんなある日、いつものように野球をした後、銭湯に行く話をしだしたので思わず『俺も行く!』と言ってしまった

家に帰って親の承諾が必要な事ぐらい子供だって解る…

けど『家にお風呂があるのにわざわざお金を払ってまで銭湯に行く必要はない!』って言われのも解っていた

だけど、銭湯でしか出来ないことってあるじゃん!

そう、空のボトルに水を入れて、プシューってやる奴!

それがしたかったんだ!(笑)

で、親に頼み込んで銭湯に行く事を許してもらって友達が待つ銭湯に行った

銭湯って、家のお風呂が壊れた時とか、改修してる時以外、行く事は無かったから、あの独特な雰囲気が嬉しくて舞い上がってた…

友達と一緒に大きな湯船に浸かって他愛の話をしてるのが凄く楽しかった
銭湯を見渡すと身体に刺青を彫ってる人も少なくなかった時代

恐くないと言えば嘘になるがそんな人達は何故か俺達には優しく話し掛けてくれた

そして、あの事件が…

銭湯で遊ぶと言えば、例のプシューっ

でも、空きボトルが無い
俺達はゴミ箱に捨てられていないか探したけど見つからなかった

暫く湯船に浸かりながら時を待った

空になったボトルをゴミ箱に捨てるのを見たら急いで取りに行く準備をして待機してた

それからどの位の時間が経っただろうか

そんな時、チャンスはやってきた

ボトルを手に持ったおじさんがお風呂から上がるついでにボトルをゴミ箱へ入れたのを見逃さなかった

ジャバーンっ

湯船から飛び出してゴミ箱目掛けて走った

あっ!

足の裏がヌルッとしたのを感じたと思った瞬間、身体は宙を舞っていた

ゴーンっ

後頭部と背中が床のタイルに当たったのはなんとなく覚えているがその後は覚えていない

そう、脳しんとうで気を失ってしまったのだ!

それも裸のまま、フルチンで…(笑)

どの位寝てたかわからないが目が覚めた

頭がボーっとしている

ようやく身体が動かせるようになってタイルの上であぐらをかいて座っていた

友達を目で探しながら周りを見渡すと友達が腹を抱えて笑ってた…

『おい、大丈夫かぁ~?』と心配しながら友達が声を掛けながら笑っているのが子供ながらにむかつきながらも自分も笑っていた

今思えば古きよき時代だったな

それから何年かしてその銭湯は時代の流れに乗り取り壊された

終わり