AIやハッカーの脅威にどう立ち向かう?

サイバー脅迫やAIの暴走といったニュースを聞くと、「なんだか凄まじい時代になったな」と遠い世界の出来事のように感じてしまいがちです。

 

しかし、先日報じられたGMOインターネットグループへのサイバー脅迫事件や、金融口座を狙った攻撃のニュースを目にしたとき、私は強い危機感を覚えました。これは単なる「どこかの大企業とハッカーの争い」ではありません。私たちが普段使っている銀行や証券、通信や電気といった社会インフラそのものが揺さぶられているサインだからです。

 

もし自律型AIや高速な攻撃ツールが犯罪者に悪用され、社会のシステムが止まってしまったら……。そう考えると、私たち一般市民(庶民)にとっても、決して他人事では済まされない時代が来ています。

 

では、世界を揺るがすようなサイバー脅迫やAIのリスクに対して、私たち「普通の生活者」にできることなどあるのでしょうか?結論から言えば、あります。

 

巨大なサイバー犯罪も、元をたどれば「たった1個の盗まれたパスワード」や「ついうっかり開いてしまった偽メール」という、小さな隙から侵入されるケースが非常に多いのです。つまり、私たち一人ひとりが自分の身を守る行動をとることが、そのまま社会全体を守る巨大な防波堤になります。前のブログと重複する部分もありますが、今日からすぐに始められる、庶民の防衛策を整理してみました。

1. 「パスワードの使い回し」を今すぐやめる

一番恐ろしいのは、どこか1つのサービスからIDとパスワードが漏れたとき、同じ組み合わせを他の銀行や証券会社、ネット通販でも使っているパターンです。攻撃者は自動プログラムを使って、手に入れたリストを片っ端から試していきます。 「覚えるのが大変だから」と使い回すのは今日で終わりにし、サイトごとにバラバラのパスワードを設定しましょう。最近はスマホのパスワード管理機能を活用すれば、覚える手間もかかりません。

2. 2段階認証と「パスキー」を味方につける

パスワードを入力した後に、スマホへ届く確認コードを入力したり、指紋・顔認証を求められたりする「2段階認証」。少し手間に感じることもありますが、これがあるだけで不正アクセスの大半を防ぐことができます。大切な口座やメインのメールアドレスには、必ず設定しておきましょう。

 

3. 便乗する「偽メール・フィッシング詐欺」を徹底警戒する

インフラ障害や情報漏洩のニュースが流れると、必ずそれに便乗して「お客様の口座が危機に瀕しています」「返金手続きはこちら」といった偽メールが届くようになります。 不安を煽る連絡が来ても、メール本文のリンクは絶対に押さないこと。必ず自分でアプリを開くか、あらかじめブックマークしておいた公式サイトから確認する習慣をつけましょう。

4. 「脅迫ビジネス」を許さない世論を持つ

ハッカーたちがなぜ企業を脅すのかといえば、「お金になるから」です。もし私たちが個人のデータを日頃からバックアップし、被害に強い耐性を持っていれば、攻撃者にとっての「人質」としての価値が下がります。 また、脅迫に屈せず捜査機関と連携して戦う企業を応援し、「テロや脅迫には1円も払わない」という社会の空気を作っていくことも、長期的には犯罪を減らす力になります。その意味で、今回のGMO社の毅然とした対応は見事でした。

おわりに

「自分一人が気をつけても、AIやサイバー犯罪の猛威には勝てないのでは?」と思うかもしれません。しかし、攻撃者からすれば「全員がしっかり鍵をかけている街」は攻めにくく、コストが見合いません。私たちが日頃からデジタル上の「手洗い・うがい(デジタル衛生)」を徹底し、一人ひとりが鍵をしっかり閉めることで、犯罪者がつけ込める隙は確実に減っていきます。

 

技術がどれだけ進歩しても、私たちの暮らしとインフラを守る基本は、身近な防犯意識から始まります。まずは今日、よく使う口座のセキュリティ設定をひとつ見直してみませんか?