実に久々のブログ更新は、やはり読書評の方が書き出しやすい気がする。

たまたま最近読んだ本が、ツッコミどころ満載だったので、久しぶりにこの手の文章を書く気になったというのも理由ではある。

さて、その本は、「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」(橘玲著 幻冬舎)という。

その内容を、あえて超要約してみると;

人の能力の70%くらいは遺伝に支配されているので、自己啓発とか色々と頑張っても無駄とは言わないまでも、簡単には上手くいかない。一方、人は社会的な生き物なので、何らかの組織・グループに属して生きて行くことになるが、そこでは評判が重要な意味を持つ。組織にはクローズドな「伽藍」とオープンな「バザール」の2種類があるが、遺伝的に恵まれていない僕たちは、伽藍においては悪い評判を受けないように動くしかなく、人のせいにされてしまったりしやすいので、圧倒的に不利である。インターネットの発展でオープンなバザールで生きるという選択肢が出来た今、遺伝的に恵まれていない僕たちは、伽藍を出てバザールで生きるしか生き延びる方法はない。バザールで成功する方法は判らないけど、好きなことをやるのが一番だ。

何となく前フリがやたらと長く、結論に導くところに話に飛躍があったり、結論の部分には余り内容が無いという印象を持ってしまったのは、私だけだろうか。

凡人たる多くの私たちが、その能力で競争して生きていこうとするのは大変だし、難しいという、言ってみれば「言い訳」の構成に多くのページを割いている。この中身自体は非常に盛りだくさんな情報も書かれていて、読み物としては充分に面白いと思う。ただ、この部分をそこまでして説得しようとしなくても、皆さん割とすぐに納得されるようには思う。簡単に言えば、少し言い訳がましい。

次に伽藍はアンフェアだし居心地が悪いから出て行こう、というのも少し乱暴だ。

会社もある意味クローズドな伽藍に属するのだろうけど、そこのメンバーである社員達を正当に評価して、個々のの個性や能力を活かして、より大きな成果を出すことは、まさにマネージメントが目指していくべきところであり、多くの優れた伽藍は、そうなるように挑戦し、成功も収めている。

そして、伽藍を出てバザールに向かうことを奨められても、バザールで上手くやっていく術を知らない僕たちは、多くの場合そこに出て行く勇気すら持てないし、っその勇気を持てる人や、そこで生きていく術を知っている、或いは考えてゆける人は、その領域での70%の遺伝的な優位性を持った人たちだったりするのではないのか。

バザールへ向かうのは「たったひとつの方法」ではなくて、そんな生き方もあるという選択肢に過ぎないのだろう。

ただ、インターネットの普及と発展で、バザールで上手くやっていくチャンスは、とても大きくなっていることは間違いのない事実であり、僕たち”遺伝的に恵まれていないかもしれない人”にとっては、この上ない朗報である。